谷空木(タニウツギ) スイカズラ科

<田植えの時期に花開く谷空木>

谷空木(タニウツギ)は宇奈月の日当たりのよい山野に生えるスイカズラ科の落葉低木です。 地元では田植えの時期に咲き始めるので、田植え花ともいいます。

葉は対生して長楕円形で、葉脈がはっきりして縁には鋸歯があります。 早いものは、5月の連休明けに新枝の先や葉腋に散房花序を出して複数の花をつけます。 花冠は淡紅色の筒状鐘型で、上部がしだいに膨らんで先は5裂しています。

開花しているものより蕾の方が濃い紅色で、雨の日には新緑の葉の中に美しく映えます。 谷間によく見られるので谷空木と呼ばれています。 稀に白色の白花空木(シロバナウツギ)が見られます。

竹笋生(たけのこ しょうず)

<標高566.8mの大原台自然公園に建立された観音像>

5月16日から七十二侯は「竹笋生(たけのこ しょうず)」。二十四節気「立夏」の末侯にあたる。竹笋(たけのこ)が生えてくる頃という意味。

笋は、筍の異体字である。食材の筍の収穫期間は、孟宗竹が3月から4月。真竹は5月から6月にかけて。今の時期に収穫できる筍は根曲竹(ねまがりだけ)で、宇奈月の深山の広葉樹林や沢地などに大きい集団を作って群生する。地元の人は、筍と言うよりは山菜の感覚で扱っている。千島笹とも呼ばれ、北海道から山陰までの日本海側で雪深いところに分布する。

5月18日は宇奈月平和の像(観音像)の観音祭で、法要が営まれる。地元出身の彫刻家・佐々木大樹氏の大作で、台座を含めると21mの高さがあり、宇奈月温泉街が一望できる標高566.8mの大原台自然公園にある。日本一高いところに建立されたブロンズの観音像である。

大原大からは遠くは北の彼方に富山湾と能登半島、東の彼方には雪を頂いた白馬連山を望むことができる。延楽から車で20分であるが、自然を味わいながら90分かけて散策するのも良い。様々な山野草や蝶々が観察できる、お薦めのコースでもある。

雪笹(ユキザサ) ユリ科

<群生を作ることが多い雪笹>

雪笹(ユキザサ)は、宇奈月の落葉樹林に生えるユリ科の多年草です。

葉は卵状楕円形で互生し、裏に粗毛があります。花は、やや斜上した頂部に円錐花序を付け、純白の小さな花が多数斜めから横向きに開きます。秋になると赤い実を付け、虫食いの照り葉と共にお茶花として用いられます。

葉の形を笹に見立て、花は雪に葉を笹に見立てたことが和名の由来となっています。小振りの下蕪の花器に、単独で生けても美しく貴賓があります。