晒菜升麻(サラシナショウマ) キンポウゲ科

<純白の花が美しい>

晒菜升麻(サラシナショウマ)は、宇奈月の低山から、亜高山帯の沢沿いに生える、キンポウゲ科の多年草です。

根出葉は大きく、長柄があって、1~2回3出複葉で、小葉が多くあります。早いものは9月の初めから、長い総状花序を付けます。花弁は白色で、山鳥兜と同時期に咲き出します。沢沿いに山鳥兜の群青と晒菜升麻の純白のコントラストが美しく映えます。

名前の由来は若葉を煮て水で晒して食べるところからきています。キンポウゲ科の植物はアルカイロイドを含んでいる毒性の物が多くあります。漢方の升麻は、この地下茎からとり古くから解毒、解熱用として用いられました。

青磁の花入れに鳥兜と生けると、葉の形も見事で最高の取合せです。

水始涸(みずはじめてかるる)

<「収穫の頃」第43回春の院展:セレネ美術館蔵>

10月3日から七十二侯は「水始涸(みずはじめてかるる)」で、二十四節気「秋分」の末侯にあたる。収穫の秋を迎え、田圃から水が抜かれる頃という意味。黒部川扇状地の田圃は黄金色に輝き、まさに収穫のころである。

黒部峡谷・セレネ美術館の常設展示作品の中に田渕俊夫画伯の「収穫の頃」が、ひときわ輝きを放つ。愛知芸術大学教授時代の作品である。当時大学の近くの長久手に住居とアトリエを構え、周りの田圃風景を題材にした作品が多く残っている。特にこの作品は、その時期の代表作である。稲を刈り取った後の藁を燃やした煙が、水平に棚引く様子は、収穫の安堵感と感謝の念が伝わってくる。芸術の秋は、セレネ美術館で名画と対峙するのも良し。