仁清色絵椿絵皿

<平目天婦羅>

黒部漁港では、平目が多く水揚げされます。料理は多彩で、薄造り、昆布締め、煮付け、しゃぶしゃぶ、フライ、天麩羅などで美味しくいただけます。

平目は、鰈とともに異体類に属し、体は扁平で眼が片側に偏って並んでいます。見分け方は、眼のある表の腹部を手前にし、頭が左にくれば平目、右にくれば鰈です。鰈類に左に頭がくる種類があります。平目でも、稀に右に頭が来るのもあります。確実なのは大きな口で鋭い歯が生えているのが平目で、おちょぼ口が鰈です。これは捕獲するえさの違いからきています。

季節の器は、「仁清色絵椿絵皿」です。紅白の色合いが料理を引き立ててくれます。

青白瓷八面取向附

<蟹の洗い>

蟹の洗いは、透き通るような活蟹の身を、氷水にさらすと花が咲きます。とろけるような食感の中に濃い甘みが口いっぱいに広がります。蟹会席の一皿です。

季節の器は、「青白瓷八面取向附」です。

白磁は、鉄分など不純物が少ないカオリンなどの白色粘土や陶石などの白い素地に、透明釉をかけて焼成したものです。微量の鉄分などの不純物が含まれると還元焼成すると淡い青みを帯びて発色します。これが青白瓷です。

焼締片口皿

<土肌を感じる器>

北陸では、11月末から「冬期雷」といって雷鳴がよく発生します。富山湾に地響きのような激しい雷鳴が轟き渡ると強風が吹き荒れ、沖合では大シケが続きます。鰤が富山湾に入ってくる合図の「鰤起こし」です。

11月28日は親鸞聖人の命日です。昔から天候がよく荒れるので、真宗門徒の多い富山では、「御満座(ごまんざ)荒れ」と呼んでいます。いよいよ寒鰤のシーズンの到来で市場では大物が並び、活況を呈します。延楽では脂の乗った寒鰤と、湯量豊富な温泉が味わえる好季節を迎えます。

季節の器は、「焼締片口皿」で、荒木義隆さんの作品です。荒木さんといえば焼締めです。土の風合いをストレートに伝える焼締の作品に、寒鰤の造りを添えました。

朔風払葉(きたかぜ このはをはらう)

<終宴:手塚雄二>

11月27日から七十二侯は「朔風払葉(きたかぜ、このはをはらう)」で二十四節気「小雪」の次侯となります。朔とは北の方角なので朔風は北風のことです。北風が吹いて木の葉を散らす頃という意味です。

黒部峡谷鉄道は11月30日で営業終了となります。宇奈月温泉周辺の木々は、まだまだ色濃い紅葉の葉が残り晩秋ならではの色合いとなっています。山彦遊歩道は、錦色に染まった落葉で綾錦の絨毯を敷き詰めたかのようです。

セレネ美術館の収蔵作品の中に、黒部の落ち葉をとらえた手塚雄二画伯の「終宴」があります。奥黒部の十字峡での取材を終えて岐路についた時、断崖絶壁の日電歩道にはヒラヒラと落ち葉が舞い落ちていました。晩秋の黒部の印象を描いた作品です。これから黒部峡谷は、夜半の雪と紅葉が織りなす幽玄の世界に入ります。

乾山写寿見込向附

<赤絵に映える香箱蟹>

冬の富山湾の代表的な食材は「香箱蟹」です。津和井の雌で資源保護の観点から漁の期間は短く、11月6日から1月6日までです。冬の海に隠された赤い宝石と呼ばれ、寒鰤とともに人気の冬の味覚です。

特に、甲羅の中の赤い内子や、お腹の外側にある外子は絶品で地酒と合います。活蟹会席の一皿で格別の旨味が味わえます。濃厚な蟹味噌もお勧めです。

季節の器は、「乾山写寿見込向附」です。赤絵の器に赤い香箱が美しく映えて、絶妙の取り合わせです。

輪島塗・牡丹蒔絵吸物椀

<蟹真丈吸物>

活蟹会席の吸物は、蟹真丈の吸物です。津和井蟹の旨味を含んだ真丈は、一番出汁で上質な味わいとなります。この後の料理は蟹の洗い、焼蟹と続きます。最初のお酒は、千代鶴酒造の恵田(2年間低温熟成)で始めて、その後は勝駒純米吟醸と進めます。勝駒純米吟醸は、冷酒でもぬる燗でも料理に合います。

器は、「輪島塗・牡丹蒔絵吸物椀」です。修復が終わって新しく蘇ったお椀です。牡丹の季節は春から初夏にかけてですが、真新しくなったので使ってみました。

緑釉透亀甲紋向附

<脂ののった寒鰤のお造り>

冬型の気圧配置が強まると、寒ブリの群れが富山湾に仕掛けられた定置網に入ります。寒鰤のシーズン到来を告げる「寒ブリ宣言」は、今年はまだ出ていません。 地響を伴った激しい雷鳴が轟き渡るのは、11月末から1月の間にかけて。北陸特有の冬期雷です。富山湾に強風が吹き荒れ、沖合では大シケが続き閃光が走ります。鰤の豊漁を告げる「鰤起こし」と呼ばれる気象現象です。 寒鰤のお造りは、上質な脂がのっていて絶品です。富山の地酒、無濾過「苗加屋」、林酒造の生酒「蔵出し」が合います。

季節の器は、「緑釉透亀甲紋向附」です。亀甲紋の透かしを大胆に取り入れた作品です。

祥瑞丸文蓋物

<祥瑞ラビリンス>

氷見漁協より「寒ぶり宣言」が出されると、富山湾の鰤漁が本格化します。去年は21日に出されました。氷見寒鰤の登録判定基準は6kg以上で定置網でとれた物に限ります。寒鰤の脂は、生臭みが全くないので、薄味で焚く蕪との取り合わせは、味の妙です。一般的には鰤と大根を濃味で焚く鰤大根が、郷土料理として親しまれています。

季節の器は、「祥瑞丸文蓋物」です。藍青色の染付は、寒鰤の腹身の部位を美しく見せてくれます。見込みの細かな瓔珞紋様は器を引き立たせ、丁寧な筆の運びが伺えます。



虹蔵不見(にじかくれてみえず)

<活け蟹料理:焼蟹>

11月22日から二十四節気は「小雪」に入ります。本格的な冬はもう少し先ですが、山間では雪が降り始める頃となります。七十二侯は「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」で二十四節気「小雪」の初侯になります。「蔵」は隠れると読みます。空気が乾燥し、日差しが弱くなるために虹が見えなくなります。

冬は食材が豊富です。なかでも地元で水揚げされる津和井蟹(ズワイガニ)は旨味を増してきます。延楽では満を持して活け蟹会席が始まりました。お造りの美味しさもさることながら、焼きガニの味わいは格別です。焼蟹は火加減や焼き方が難しいので、プロに焼いてもらうのが一番です。延楽では焼蟹の熟練者が、お客様の目の前で焼きます。あわせて季節の野菜と氷見牛を、伝統のダシにくぐらせてお出しいたします。

お部屋の露天風呂から晩秋の紅葉を眺めながら山間の温泉風情を楽しむ。晩秋から初冬にかけての延楽ならではの味わいです。

呉須赤絵小蓋物

<雲子含め煮>

急激に寒くなると、富山湾の真鱈が美味しくなります。鱈ちりの季節になりました。新鮮な雲子(白子)は絶品です。そのままポン酢で食すのも美味しいですが、上質な出汁にくぐらせていただくのもお勧めです。地酒に合います。

季節の器は、「呉須赤絵小蓋物」で、永楽妙全です。滑らかな純白の雲子は、小ぶりの赤絵の蓋物に合います。