仁清色絵波絵切込皿

<五寸五分皿>

蛍烏賊も大ぶりの物が多くなってきました。釜茹で食すのもお勧めです。最もお勧めなのがお造りです。ゲソは生姜醤油で竜宮素麺でいただきます。山菜のヨシナの食感も爽やかで、今が旬です。雅膳の一皿です。

季節のうつわは、「仁清波絵切込皿」です。四方に切込みが入り小形なので、蛍烏賊を盛りつけるのに適した器です。5月5日から夏の始まりの「立夏」に入りました。波絵の器は、初夏から夏に使います。

稚児百合(チゴユリ) ユリ科

<可愛い小花を付ける稚児百合>

稚児百合(チゴユリ)は、宇奈月の落葉樹林や杉林の中で群生するユリ科の多年草で、地下に細い根茎があります。

葉は互生し、楕円形で柄はありません。茎頂に1個から2個の白い花を横向きか下向きにつけます。白色の花被片は披針形で半開きし、葯は黄色です。花被とは花の構成要素の蕚と花冠を総称していいます。その二つが形態的に類似するかほとんど見分けがつかない場合は、まとめて花被片といいます。稚児百合はこれにあたり、百合属に多く見られます。

花が小さくて可愛いところが、名前の由来となっています。小さい花ですが群生しているので幾何学的な美しさがあります。

蚯蚓出(みみずいずる)

<宇奈月温泉周辺の新緑を作り出すカエデ属>

5月10日から七十二侯は、「蚯蚓出(みみずいずる)」で二十四節気「立夏」の次侯となります。夏に向うにつれ、土の中から蚯蚓(ミミズ)が這い出してくる頃と言う意味です。

今まで冷気を含んでいた朝の川風は、立夏に入ると爽やかな風になり、宇奈月は今まさに残雪と新緑が美しい季節本番となりました。春の陽射しは少しずつ力を増し、萌葱色の草木も日一日と緑が濃くなったきます。

黒部峡谷の柔らかな新緑を作り出すのは、ブナ科やムクロジ科の落葉高木です。特にムクロジ科のカエデ属のハウチワカエデ、イタヤカエデ、ウリハダカエデの新緑は美しく、秋には紅葉も見事です。