蟷螂生(かまきりしょうず)

<新緑と清流が美しく映える黒部峡谷>

6月6日から二十四節気は「芒種(ぼうしゅ)」となります。「芒」とは、稲や麦などのイネ科植物の小穂を構成する頴(えい)の先端にある針状の突起のことです。芒種とは、芒を持つ植物の種を蒔く時期と言う意味です。

七十二侯は「螳螂生(かまきりしょうず)」で、二十四節気「芒種」の初侯となります。蟷螂は、秋に粘液を泡立てて作る卵鞘の中に多数の卵を産み付けます。その気泡に包まれた卵鞘の中の卵が孵化して幼虫になる頃です。梅の実が黄色く熟す頃でもあり、いよいよ梅雨入りとなります。旧暦では5月にあたり「五月雨(さみだれ)」は、本来梅雨を指していました。「五月晴れ」も同様、梅雨の晴れ間を指す言葉でした。

黒部峡谷の木々の葉は雨に濡れ、緑が一段と美しく輝きを増します。新緑の峡谷を探勝するには、いい季節となります。

青瓷花刻小鉢

<見込みに花印>

今年も黒部川に桜鱒が戻ってきました。地元では地鱒と呼んでいます。銀化した大きな体になって生まれた川に帰ってきます。木の芽焼きや押し寿司や酢の物で食します。しゃぶしゃぶも絶品です。

季節のうつわは「青瓷花刻小鉢」で、青磁の翡翠色が鱒の桜色に合います。

田虫葉(タムシバ) モクレン科

<葉よりも早く花が咲きます>

田虫葉(タムシバ)は、宇奈月の高い山に生えるモクレン科の落葉小高木です。春山の僧ケ岳登山道の標高1200m地点で、よく見かけます。その純白の花は、残雪を纏った黒部の山々と青い空によく映え、まさに北国の春です。日本海側に多く分布します。

葉は広披針形で薄い用紙質となり、下面は紛白色です。噛むと甘く芳香があるところが和名の由来となっています。コブシの近縁で、葉よりも早く花が咲きます。