
紫交趾は、交趾焼のうち紫釉が主調となった三彩陶磁です。交趾焼きには磁胎と陶胎があり、高火度焼成の素焼きの生地に鉛釉系の色釉(黄・緑・青・紫)を掛けて低火度で焼成します。紫の強い交趾焼きは、中国では華北の窯で作られた陶器の特色となっています。
もととなる三彩は、日本では桃山時代に復活し、京都の楽焼が交趾焼きと呼ばれるようになりました。江戸中期、後期には、交趾三彩、康煕三彩に学んで三彩を焼いています。京都の永楽保全はその代表格です。
雅膳の一皿は「紫交趾菊形」で、紅津合蟹の赤が良く映えます。永楽妙全の作品です。