鬼胡桃(オニグルミ) クルミ科

<鬼胡桃の雄花穂>

鬼胡桃は、宇奈月の谷筋や川沿いに多く見られるクルミ科の落葉高木です。和名の由来は、種子の表面の模様が鬼の顔に見えることによります。

葉は、大形の奇数羽状複葉で互生します。小葉は4~10対あり、卵状長楕円形で裏面はビロードのような毛に覆われています。花期は5~6月、前年の枝に若葉と共に黄緑色で垂れ下っているのが雄花穂で、雌雄同株です。 雌花穂は若い枝の脇に10個ほど穂になって直立して咲き、雌蕊は鮮やかな赤で二股になります。 秋には脂油の多い果実が熟します。

幹は木目が美しいところから家具材として使われています。宇奈月では、細い葉の沢胡桃も多くみられます。縄文遺跡からクルミが出土することがありますので、当時から保存食にされていたことがわかります。

色絵牡丹絵七寸皿

<氷見牛炙り>

四月の終わりから五月の初めにかけて二十四節気は「穀雨」となります。百穀を潤し育てる春の雨が降る節気です。七十二候は「牡丹華」となり、大輪の牡丹の花が咲く頃です。雅膳の一皿は、氷見牛の炙りです。

季節のうつわは、「色絵牡丹絵七寸皿」で、色彩豊かな器です。紅白の牡丹に、縁取りは金彩が使われているのでより華やかになります。

黒文字(クロモジ) クスノキ科

<柑橘系の芳香たつ黒文字>

黒文字(クロモジ)は、宇奈月の山地の落葉樹林内に生えるクスノキ科の落葉低木です。

樹や枝に、テルピネオールやリモネンを含む精油が多く含まれ、柑橘系の芳香があります。黒文字油は、抗菌効果があるので楊枝や取り箸などに用いられています。 樹皮の黒斑を文字に見立てたのが和名の由来です。

葉は、倒卵形で薄く枝先に集まり花と共に開き、樹林内の新緑の美しさを作り出しています。花は、前年の枝の先端近くの葉腋に散形花序をつけ、葉が開くのと同時に小さな花をたくさんつけます。 雄雌異株なので雄花は雌花より大きく数も多くつきます。ともに淡黄色なの普通にみる限りでは、違いが分かりません。