黒部峡谷鉄道・猫又まで開通

<やまびこ鉄橋を走るトロッコ電車>

4月20日、黒部峡谷沿いを走る軌間762mmゲージ(通称ナロゲージ)の黒部峡谷鉄道は猫又まで部分開通しました。営業運行期間は4月20日~8月31日まで区間は宇奈月駅~猫又までの折り返し運行となります。
9月1日からの時刻表及び、10月1日以降の運行区間については、7月上旬までにプレス発表されます。

今年は沿線の山々の積雪が少なく、例年より早く営業運転を開始しました。車窓から眺める黒部の山々には、残雪が残り稜線に沿ってブナの深緑が美しく映える、ブナの峰走りを見ることができます。

終点の猫又には黒部川第二発電所があり、下流の対岸には高さ200mの鼠返しの大岩壁が望むことができます。黒部川第二発電所は1936年(昭和11年)日本電力株式会社が運用を開始し、1951年(昭和26年)に関西電力に引き継がれ、90年にわたり日本の電力供給を支えてきました。発電所と取水ダムは日本近代建築家・山口文象の設計で、深いV字峡の黒部峡谷に溶け込むように工夫されています。

黄花碇草(キバナイカリソウ) メギ科

<若葉が美しい黄花碇草>

黄花碇草(キバナイカリソウ)は、宇奈月の山の則面に自生するメギ科の多年草です。

茎の高さは40cmから60cmで、まばらに分岐します。根出葉は長柄があって複葉で、3枚つき2段階で分かれるので2回3出複葉と言います。4月に総状花序を出して淡黄色花を数個下向きに開きます。

碇と錨の違いは、碇はかつて日本船に使われていた4本爪のイカリのことで、錨は2本爪のイカリのこです。花の形が碇に似ていることが名前の由来となり、碇草の漢字になっています。碇草は滋養強壮の漢方薬として利用されてきました。花が散ると、葉が急激に大きく広がります。

葭始生(あしはじめてしょうず)

<新緑に映える黒薙・後曳鉄橋>

4月20日から二十四節気は「穀雨」となります。
暦の上では春と言うのは、二十四節気の「立春」に始まり「穀雨」で終わりを告げます。「穀雨」とは、春雨が百穀を潤す事から名付けられ、種まきや田植えの準備の目安となります。変わりやすい春の天気もこの頃から安定し、日差しも徐々に強まります。

七十二侯は「葭始生(あしはじめてしょうず)」で「穀雨」の初侯となります。水辺の葭が、芽吹き始める頃という意味です。黒部峡谷は、萌黄色に染まり黒部奥山ではブナの峰走りが現れる頃となります。

冬期間運休していた黒部峡谷鉄道は、例年より積雪が多いので一部区間運転となります。
4月20日から黒部川第二発電所がある猫又までの約10㎞の部分運転となります。宇奈月の源泉のある黒薙駅は手前になります。
欅平までの全線運行および黒部宇奈月キャニオンルートの一般開放については、能登半島地震による落石で鐘釣橋が損傷し、その補強と落石対策の工事が終わり次第運行されます。本年秋口の運行予定となります。最終案内は7月に発表予定です。

深いV字峡谷を刻んで流れる「穀雨」の黒部川は、山々の雪解けが進み、水量を増しながら激流となって富山湾へと流れていきます。黒部の峡谷に吹く風はまだ冷たく、時折山桜の花びらを運んできます。森羅万象の緑は、訪れる人々の心を癒してくれます。