仁清色絵秋草絵向付

<風にそよぐ宇奈月の山の秋草>

おわら風の盆が終わると、宇奈月温泉の周辺の山は秋草がそよぐようになります。今年のおわらは、コロナ禍で中止となり寂しい限りです。宇奈月平和観音像が建立されている、大原台公園の直下は、すすきの海原です。登山道には山萩の花が一面にこぼれ甘い香りが漂ってきます。

雅膳の一皿は、「仁清色絵秋草絵向付」です。秋の彩が楽しめる器です。何が盛り付けられるかは当日のお楽しみです。

高麗青磁菊形向付

<紅津和井蟹と水菜のおひたし>

富山湾に秋の訪れを告げる紅津和井蟹漁が9月1日に解禁となりました。地元ではアカガニと呼ばれ翌年6月30日まで漁が続きます。生息地は、ズワイガニより深い水深500mから2400mまでの領域です。富山湾では水深1000mの海底が魚場となり、円錐台形の蟹籠を沈めて漁をします。

雅膳の一皿は、紅津和井蟹と菊菜、水菜のおひたしです。紅津合蟹の他に富山湾で獲れる毛蟹等も使う場合があります。地元の生地港、魚津港の船が漁に出るのが9月の中旬位になりそうです。

季節のうつわは「高麗青磁菊形向付」で菊形の器です。高麗青磁は、朝鮮半島の高麗時代(918年~1391年)に製作された青磁釉を施した陶磁器です。高麗独特の象嵌青磁や辰砂文様等の青磁も作られるようになりましたが、李朝時代に入ると粉青沙器が主流となります。20世紀になり、失われていた高麗時代の製法が復活し、高麗青磁が蘇ります。

焼締長方皿

<ぼた餅の模様が、くっきりと出ています>

秋の旬菜を盛る器は、土の香りが感じられる物が適しています。雅膳の一皿は秋の旬彩の焚合せです。富山湾の車海老と、秋の旬菜を上質のだしを使って炊きました。

季節の器は、「焼締長方皿」です。ぼた餅の文様がくっきりと浮かび上る秀作です。

古染付荒磯中皿

<深みのある呉須>

地元で水揚げされる大形の「のどぐ黒」は刺し網で獲ります。脂がのっているので、お造りやしゃぶしゃぶがお勧めです。お酒のあてには焼物が合います。雅膳の焼物です。 

季節のうつわは、「古染付荒磯中皿」で、深い藍色が料理を引き立てます。古い染付の持つ風合いや味わいは、料理を盛りつけて初めて伝わってきます。器は用の美なのです。

染付とは白磁胎に酸化コバルトを主原料とした顔料で模様を描き透明釉を掛けて高火度で焼成した磁器のことです。釉薬の下に文様が施されていることから「釉下彩」技法の一つで、身近な染色の藍染を想起して「染付」と呼んでいます。中国の青花あるいは青花磁器のことです。

輪島塗・盛器黒へぎ目 秋草絵杉蓋

<秋の山海の珍味>

二十四節気の「処暑」に入ると、宇奈月の山々では、秋の気配が漂うようになりました。長月の前菜は、富山の山海の珍味です。宇奈月の山野では、秋の野草が開花し始めました。

季節の器は、「輪島塗・盛器黒へぎ目 秋草絵杉蓋」です。秋の彩りが美しい盛器です。

仁清色絵花火絵六寸皿

<花火の皿>

宇奈月温泉花火大会は、毎年8月18日に行われます。今年は宇奈月温泉開湯百周年を記念する花火の打ち上げとなります。打ち上げ箇所を昨年同様、3箇所から打ち上げて花火の数も昨年より増やしています。これまでと違ったスケールの花火をお楽しみください。

季節のうつわは「仁清色絵花火絵六寸皿」です。器でも楽しめる夏の風物詩です。

銀彩波絵小判形向付


<のど黒のお造り>

延楽・のど黒会席の中の一皿は、割鮮(お造り)です。甘みのある脂がのって割鮮としては最高の食材で、少し炙りが入っています。富山湾から能登半島にかけてはのど黒のいい漁場となります。のど黒は焼き物、煮物、しゃぶしゃぶなどの多彩な料理があります。割鮮(お造り)に使うのど黒は、鮮度が重要です。

季節のうつわは「銀彩波絵小判形向付」です。夏に相応しい波絵をモチーフにした器です。

輪島塗・盛器黒へぎ目 花火絵杉蓋

<匠膳の前菜>

彩りも美しい、匠膳の前菜で、富山の旬の旨物が盛り込んであります。盛器の蓋は、杉の正目板で、夏の風物詩の花火が描いてあり目でも季節感が味わえます。 図案は月替わりで、季節の花鳥や風物詩を題材にしています。

季節のうつわは「輪島塗・盛器黒へぎ目、花火絵杉蓋」です。盛器のへぎ目が漆によって柔らかく表現され、料理が美しく映えます。

宇奈月温泉では毎年8月18日に花火大会が行われます。今年は3年ぶりの大会で、しかも来年が宇奈月温泉開湯100周年で、それに繋がるように打ち上げ地点を2箇所増やして合計3箇所から打ち上げます。例年にない迫力で行います。

染付桃文小鉢

<白海老昆布締め>

雅膳の強肴は、白海老の昆布締めです。富山県は、昆布の消費量が日本一で、家庭料理でもよく使う食材で常に身近にあります。北海道の昆布漁場の開拓には、多くの富山県人が携わっていました。かつては北前船で富山の米を北海道に運び、帰りの便で昆布などの海産物を積み荷としました。故に、富山では昆布を使った食文化が育まれてきました。

季節のうつわは「染付桃文小鉢」です。

桃は古くから邪気を祓う力を持つ霊木として、実は不老不死の食べ物として、大切に栽培されてきました。中国思想で考えると桃文は、吉祥文となります。

白金流星絵七寸皿

<夏の星座をイメージ>

お盆前には、流星群がよく見られます。北の方向から流れる星は一瞬に消え、次から次と連続で見られます。夏の大三角形がよく観察できる日は、満天の星も鑑賞できます。

雅膳の一皿は、「白金流星絵七寸皿」です。夏の夜空を美しく模った、美しい器です。