衝羽根空木(ツクバネウツギ) スイカズラ科

<清楚な純白の花>

衝羽根空木(ツクバネウツギ)は、宇奈月の落葉樹林の中に見られるスイカズラ科の落葉低木でよく分岐します。

6月ごろ、新梢の先に黄白色で筒状鐘型の花を2個付けます。目立たない初夏を告げる花ですが、内部には橙色の網目の模様があり、その純白さは清楚な雰囲気を漂わせています。

葉は、卵状楕円形で対生します。箆形で5個の額は、花が終わった後も果実の下に残って衝羽根の形になり、樹枝が空木に似ているところから、和名の由来となっています。

乃東枯(なつかれくさかるる) 

<少なくなりつつある靭草(ウツボグサ)>

6月21日から二十四節気は「夏至」に入り、1年の内で最も昼が長くなる頃でもある。これから盛夏に向けて日に日に暑さが増すが、梅雨のまっただ中なので雨の日がしばらく続く。

七十二侯は、「乃草枯(なつかれくさかるる)」で「夏至」の初侯にあたる。乃東(なつかれくさ)とは、漢方薬に用いられる夏枯草(カコソウ)の古名で、宇奈月の草地に生えるシソ科の靫草(ウツボグサ)のことである。

花穗だけが枯れて黒ずんだ色になり、夏枯草の名の由来となる。半年前は「冬至」の初侯で「乃東生(なつかれくさしょうず)」で、夏枯草は生まれては枯れていく。季節は正確に巡っているのである。

舞鶴草(マイヅルソウ) ユリ科

<鶴が舞っているような形の、貴賓ある花>

舞鶴草(マイヅルソウ)は、宇奈月の亜高山帯の涼しい樹林内に生えるユリ科の多年草です。今年も雪解けの樹林内に、群生しています。

葉は心臓型で2から3個、互生しています。花は茎の先端に総状花序に付きます。秋になると黄色い照葉の上に赤い実を付けます。

葉脈の独特な曲線を、鶴が羽を広げた形に見立てたところから和名がつきました。

梅花空木(バイカウツギ) ユキノシタ科

<初夏の風物詩、梅花空木>

梅花空木(バイカウツギ)は宇奈月の岩石地に見られるユキノシタ科の落葉低木です。

枝先に総状の集散花序をだし、白く清楚で芳香のある花をつけます。4枚の花弁は重なり合い先端部がわずかにくぼみ、梅花を思わせる品の良い花です。

枝は又状に横に広がり、葉は対生して卵型で3本の葉脈がはっきしているのが特徴です。茎には白い綿のような髄が詰まっていて、これを取り除かないと水揚が困難です。

紫式部(ムラサキシキブ) クマツヅラ科

<秋には濃紫色の実になる>

紫式部(ムラサキシキブ)は、宇奈月の山野の林内や林縁に生えるクマツヅラ科の落葉低木で、小枝は斜上しますが先は垂れやすくなります。

葉は単葉で、葉身は8cm前後の長楕円形で、先は尾状に尖り基部は狭い楔形になっています。縁には細かい鋸歯があり、両面はほとんど無毛です。

葉腋から集散花序を出して淡紅紫色の花をつけます。石果は降霜のころ、光沢のある濃紫色に熟し、落葉後も枝に残ります。

夏灯台(ナツトウダイ) トウダイグサ科

<形状が最も面白い花>

夏灯台(ナツトウダイ)は、宇奈月の杉林等の林中に生えるトウダイグサ科の多年草です。 

茎は紅色を帯びて切ると白い汁が出ます。葉は先の丸い披針形で互生しまが、茎頂で5枚の菱状長楕円形の葉を頂生し、そこから5本の枝を出します。更に枝は二股に分岐し、2枚の広卵状三角形の苞葉を付けその間に小さな盃状の花序をつけます。苞葉(ほうよう)とは、花の下に位置し葉の変形したもので芽を保護する役割を果たします。

夏灯台は非常に複雑に入り組んでいるように見えますが、よく見るとそこには自然界の中で造られた規則正しい造形が見られます。 有毒植物ですが、根茎は薬用となります。

梅子黄(うめのみきばむ)

<白身魚と相性のいい煎り酒は、梅干しから作る>

6月16日から七十二侯は「梅子黄(うめのみきばむ)」で、二十四節気「芒種」の末侯にあたる。梅の実が熟して黄ばむ頃という意味。梅が黄ばんでくると梅干を作るための収穫となる。いよいよ梅雨本番である。

延楽の人気商品に「煎り酒」がある。梅干しの塩梅と特製出汁を合わせてつくる。富山湾で獲れる真鯛、平目、のど黒、細魚(サヨリ)、太刀魚などの白身魚の刺身に合う。おろし山葵を少々付けて食すと、白身魚の繊細な味わいが口に中に広がる。

江戸時代に、醤油が登場する以前に刺身ダレとして使われた。地酒との相性も良い。延楽自家製「煎り酒」は、刺身以外にもドレッシングや鍋物等にも幅広く使える。延楽秘伝の味で、オンラインショップの人気商品でもある。

色絵紫陽花絵向附

<鮑を柔らかく炊きました>

宇奈月温泉周辺の山では、蝦夷紫陽花が咲き始めました。花に見えるところは装飾花で、虫をおびき寄せえます。色は青が主流で、所々に赤があります。鮑の柔煮です。

季節の器は、「色絵紫陽花絵向附」です。外は雨でも器で晴れやかになります。

沢胡桃(サワグルミ) クルミ科

<緑黄色の若い果実>

沢胡桃(サワグルミ)は,宇奈月の沢沿いに自生する、クルミ科の落葉高木です。和名は沢沿いに自生することに由来します。若葉は、黒部峡谷を美しい萌黄色で彩ります。

峡谷沿いに多く直立し、高いもので30mになります。葉は大形で奇数羽状複葉で互生します。小葉は5~10対あり、洋紙質で先は鋭く尖り縁には細鋸歯があります。雌雄同株で雌雄異花。新枝の先に雌花序が垂下し、枝の基部から黄緑色の雄花序が多数垂下します。

果実は食用にはなりません。一般的に食用に適するのはオニグルミの実です。

青瓷花刻小鉢

<見込みに花印>

今年も黒部川に桜鱒が戻ってきました。地元では地鱒と呼んでいます。銀化した大きな体になって生まれた川に帰ってきます。酢で〆てます寿司か酢の物。しゃぶしゃぶも美味しいです。

季節の器は、「青瓷花刻小鉢」です。黒部川の恵みです。