染付人物絵小鉢

<深い色合いの染付>

料理の始まりは、先ず小鉢からです。小鉢は小さいながらも種類が多く、何代も前から愛用しているものもあります。

雅膳の一皿は、「染付人物絵小鉢」で、川瀬竹春の作です。深い色合いの落ち着いた染付の器です。

仁清写色絵七宝紋蓋向

<鰆の煮つけ>

立春の末候ともなれば日足も少しづつ長くなります。確実に春の兆しが感じられるようになりました。北陸ではこれから鰆が旬を迎えます。料理法も多彩でお造り、西京漬け、塩焼き、棒寿司など脂がのって美味しくいただけます。漁獲量をみても北陸が全国でもトップクラスで、特に福井県、石川県の漁獲量が多くなっています。

季節の器は、「仁清写色絵七宝紋蓋向」です。七宝紋とは一つの円に対して四方から円を組み合わせ、それぞれ四分の一の円が重なり合わないようにした輪違い文です。七宝は仏教の七つの宝のことで金、銀、瑠璃、珊瑚、瑪瑙、真珠をさします。磁器では、江戸時代以降に使われるようになりました。

赤絵玉堂佳器向付

<玉堂佳器>

寒さが厳しくなると根菜類の甘みが増してきます。冬の根菜類は出汁を効かせて含め煮にします。雪景色の中では赤絵の器が似合います。

季節の器は、「赤絵玉堂佳器向付」です。玉堂佳器とは、明時代の啓徳鎮の作品などにみられる銘です。立派な建物に佳い器を意味する吉祥句で、古伊万里などに見られます。

魚上氷(うおこおりをいずる)

<黒部川にそそぐ琴音の滝>

2月13日から七十二侯は、「魚上氷(うおこおりをいずる)」で、二十四節気「立春」の末侯にあたります。春の兆しを感じて魚が動き始め、割れた氷の間から飛び出す頃という意味です。

宇奈月温泉は、冷え込む夜半に雪が舞い稜線は薄っすらと雪化粧。黒部川は凍らずに渓流となって流れています。宿の対岸に、良い形の釜を備えた滝があります。宿の創業者が親しかった中川一政画伯のお気に入りの滝で、「琴音の滝」と名付けました。滝釜から黒部川に流れ落ちる清流の岩陰に、山女魚の稚魚が春めく時を待っています。やがてその一握りが桜鱒となって戻ってきます。

織部入隅角蓋物

<魚煮付け>

富山湾に柳鉢目が水揚げされるようになりました。まだ数が少ないようです。2月から4月にかけ漁が最盛期を迎えます。くせのない白身なので、焼き物、煮物、揚げ物などの美味しい肴になります。地酒は千代鶴・純米吟醸のぬる燗がおすすめです。

季節の器は、「織部入隅角蓋物」です。

織部焼は、慶長年間から寛永年間に美濃で焼かれた、斬新奇抜な加飾陶器の総称で、その技法によって分類されます。緑釉を総掛けしたものは「総織部」、緑釉と鉄絵の組み合わせたものは「絵織部」、赤土上に鉄絵、白土上に緑釉を施したものは「鳴海織部」、赤土上に白泥鉄絵を組み合わせたものは「赤織部」、志野風の絵付けのものは「志野織部」と分類されます。これに形が取り入れられますので、多種の織部の器が生まれます。

鉄釉着彩福字六寸皿

<旨味凝縮の唐揚げ>

雪の多いこの時期は、連泊されるお客様の多い時期です。滞在料理は料理内容と器をすべて変えます。揚げ物は「ふくの唐揚げ」です。

季節の器は、「鉄釉着彩福字六寸皿」で、魯山人写しです。福福で楽しくなります。

仁清色絵梅絵六寸皿

<紅梅開花の便りが届く>

富山県内では内山邸の梅が最も早く開花します。今年も立春の日に開花しました。早咲きの「八重寒紅」です。器でも梅を愛でたいものです。

季節の器は、「仁清色絵梅絵六寸皿」です。紅梅と白梅がバランスよく配してあります。

春蘭蒔絵吸物椀

<旨い出汁の椀>

旨いだしの吸い物に出会うと心が落ち着きます。前菜でお酒が進むと、箸休めの吸い物がでてきます。旨味も増した蟹真丈で、心身ともに温まります。

季節の器は、「春蘭蒔絵吸物椀」で、輪島塗のお椀です。

黄鶯睍睆(うぐいすなく)

<安田靫彦「春到」>

2月8日から七十二侯は「黄鶯睍睆(うぐいすなく)」で、二十四節気「立春」の次侯になります。山里に春を告げる鶯が鳴く頃と言う意味です。宇奈月温泉周辺では3月初旬から中旬になりそうです。睍睆とは声の美しい様子を表す畳韻の擬態語で、畳韻とは韻が同じ漢字2文字を重ねることとあります。

今年は年初から大雪で、宇奈月温泉スキー場には十分に雪があります。今日から大陸からの寒気団が再び南下し、数日寒い日が続くようですが長続きはしません。明け方の雪は、山一面に雪の花を咲かせ稜線が幻想的に見えます。山水画のような景色を眺めながら露天風呂に浸かると、まさに至福のひと時です。

ギャラリーでは、安田靫彦の「春到」が展示されています。まだまだ寒き中、においを漂わせる白梅。画伯の庭の花をつけた梅が枝を描かれました。富山気象台から開花宣言が出されるのはもうすぐです。

色絵丸紋胴紐小鉢

<鮮やかな赤丸>

小鉢は染付、古染付、祥瑞が多く使われますが、水墨画のような雪景色に鮮やかな色絵の小鉢が合います。その華やかで料理も映えます。

雅膳の一皿は「色絵丸紋胴紐小鉢」です。色絵磁器は、陶磁器の釉面に上絵付した加飾磁器で、赤絵、錦手、五彩、十錦手、粉彩、豆釉、染錦手などを総称するものです。色絵磁器では色絵の呈色を良好に保つために、白磁素地が純白であることが追及されました。