水玉草(ミズタマソウ) アカバナ科

<小さな可憐な花をつける>

水玉草(ミズタマソウ)は、宇奈月の山の木陰に生える、アカバナ科の多年草です。

茎は直立し、高さ20~60cmぐらいになります。葉は対生し小さな葉柄があり、葉身は広披針形でまばらに低い鋸歯があり、先はとがっています。
9月から10月頃、茎の先や上部の葉腋に、総状花序を出し小さな白色を帯びた花をつけます。

水玉のように小さな可憐な花なので、見過ごしてしまいます。

仁清色絵楓絵六五皿

<秋の旬魚>

朝晩の肌寒さが感じられるようになると、富山湾の旬魚が美味しくなります。キジハタ、アラ、トヤマエビ、ノドグロ等の旬魚のお造りは格別で、地酒が進みます。

季節の器は、「仁清色絵楓絵六五皿」です。艶やかな色絵は秋の彩を楽しませてくれます。いよいよ奥黒部の山々も紅に色づき始めます。

薬師草(ヤクシソウ) キク科

<花は鮮やかな黄色で固まって咲く>

薬師草(ヤクシソウ)は、宇奈月の日当たりのよい山野の路傍や草地に生える、キク科の多年草です。

茎はよく分枝して高さ30cm~120cmになります。初期には根出葉がありますが、花時には無くなり、茎葉だけになります。茎葉は互生し倒卵形で縁に浅い鋸歯があり、基部は後方に丸く張り出し、茎を抱きます。

夏から秋にかけて、枝先や上部の葉腋に、黄色の頭花を数個ずつ付けます。

色絵楓文六五皿

<楓づくしの皿>

富山湾では、寒鰤のやや小さな鰤をガンドウ鰤と呼んでいます。脂が乗って美味しくなります。10月下旬から獲れ始めます。のど黒、真鯛、富山海老、赤烏賊等のお造りは、寒さが増すと一段と美味しくなります。

季節の器は、「色絵楓文六五皿」です。艶やかな楓は食卓を華やかにします。

背高泡立草(セイタカアワダチソウ) キク科

<群生する外来種>

背高泡立草(セイタカアワダチソウ)は、宇奈月の荒れ地や堤などで大群生する、北米原産のキク科の大型多年草です。

茎は高さ2m位にもなり、葉は披針形で互生しています。秋になると茎頂が分岐して、大型の円錐花序になり黄色の小頭花を多数つけます。

日本へは蜜源植物として導入されました。

南京交趾長角向付

<南京交趾>

秋風が吹くと真鯛は脂が乗り美味しくなります。新鮮な真鯛を薄く引いて昆布締めにします。純米吟醸のぬる燗に合う肴です。秋の夜長はぬる燗に限ります。

季節の器は「南京交趾長角向付」です。交趾とは現在のベトナム国の南部の古い地方名です。交趾焼とは中国河南省で焼かれた三彩陶磁の日本名で、磁胎と陶胎があります。この内、陶胎の三彩は桃山時代の美濃焼の黄瀬戸や楽焼のモデルとなり、磁胎の素三彩は江戸後期の永楽保全、偕楽園焼、長与焼の重要なモデルとなっています。

犬塔花(イヌトウバナ) シソ科

<小花をたくさんつける>

犬塔花(イヌトウバナ)は、宇奈月の山の木陰や路傍に生える、シソ科の多年草です。

茎は、シソ科特有の方形で長さが30cm前後です。葉は、狭卵型でやや薄く、縁には鋸歯があり対生しています。夏から秋にかけて茎の先に花穂を作り、輪生状に淡紅紫色を帯びた小花を付けます。萼は筒状で、先は2唇に分かれ、上唇は3裂、下唇は細く2裂になります。

雌待宵草(メマツヨイグサ) アカバナ科

<帰化植物の一種>

雌待宵草(メマツヨイグサ)は、宇奈月の日当たりの良い草地に生える、アカバナ科の北米原産の帰化植物です。

根出葉は細長く鋸歯があり、茎上の葉はやや小さく広披針形です。葉腋に単生し、花弁は4個で黄色で変異が大きです。花弁と花弁の間に隙間があるものがアレチマツヨイグサで、隙間のないものはメマツグサです。

蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)

<「秋草の図」塩崎逸陵>

10月18日から七十二侯は、「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」で二十四節気「寒露」の末侯となります。夜は肌寒くなり、朝夕の露が冷たく感じられるようになります。「秋の日はつるべ落とし」という言葉の如く、太陽があっという間に沈んで日が短くなると、蟋蟀(きりぎりす)が戸口で鳴くようになります。昔はコオロギのことをキリギリスと呼んでいました。

一雨ごとに秋の深まりが感じられ、黒部の山々の稜線は紅に染まりつつあります。17日の富山県内は上空に寒気が流れ込み、北アルプス立山・室堂では今季初の雪が降りました。昨年も同じ日に立山連峰が雪化粧しました。宇奈月では黒部の流れる水が清くなり、サケの遡上が始まります。サクラマスは皐月の頃に遡上して、今は深い淵に潜んでいます。外気温が下がると支流へ移動して産卵の頃合いを窺っています。

寒露に入ると部屋の室礼も変えていきます。今日は十三夜。十三夜の頃には天候が安定するので、「十三夜に曇りなし」という言葉通り愛でることができます。お軸の中に塩﨑逸陵画伯が描いた「秋草の図」があります。秋草に月と秋の虫が描かれています。その作品からも月を愛でることができます。塩﨑逸陵は、富山県高岡市出身の日本画家で東京美術学校(東京藝術大学)に学びます。川端玉章、寺崎広業に師事し、気品あふれる花鳥画や人物画を描きました。芸術家の足跡が延楽に残されています。まさに旅館ならではの文化です。

川緑(カワミドリ) シソ科

<強い香気がある>

川緑(カワミドリ)は、黒部川や宇奈月谷の川岸の法面などの湿りがちな草地に生える、シソ科の多年草です。

茎は、シソ科特有の方形で、全体に薄荷に似た強い香気があります。葉は広卵形で、鋸歯があり対生しています。枝の先に10cm前後の花穂を作り、淡紅紫色の花を密に付けます。萼は筒状で花冠は二唇形で、上唇は直立し下唇は開出して3裂します。