姫風露(ヒメフウロ) フウロウ科

<葉の端が赤みを帯びる>

姫風露(ヒメフウロ)は、宇奈月の宇奈月谷遊歩道沿いに生えるフウロ科の越年草で、北米からの帰化植物です。

茎の高さは30cm程で、葉は対生し3~5深裂し、小葉はさらに羽状に深裂します。葉腋から長い花序を伸ばして淡紅色の花を1~2個付けます。花は5個の花弁で、それぞれの花弁には2本の筋があります。結実期に入った全草は赤みを帯びます。群生していることが多いので、緑化には適しています。

車花(クルマバナ) シソ科

<小さくて目立たないが、花冠の模様が美しい>

車花は、宇奈月の山野の草地に生える、シソ科の小さな多年草です。

葉は対生し、狭卵型で鋸歯があり基部には短い二枚の葉柄があります。茎は、シソ科特有の箱型で直立し、枝先に断続的に輪生する花穂を作って、淡紅色の唇花形をつけます。

蕚も紅紫色を帯びることが多く、開出毛という茎に直角に伸びる細い毛が多くあります。花冠は筒状で、開口部は2裂し、下唇は3裂しています。雄しべは4本あり上唇側の2本だけが長くなっています。

衝羽根空木(ツクバネウツギ) スイカズラ科

<清楚な純白の花>

衝羽根空木(ツクバネウツギ)は、宇奈月の落葉樹林の中に見られるスイカズラ科の落葉低木でよく分岐します。

6月ごろ、新梢の先に黄白色で筒状鐘型の花を2個付けます。目立たない初夏を告げる花ですが、内部には橙色の網目の模様があり、その純白さは清楚な雰囲気を漂わせています。

葉は、卵状楕円形で対生します。箆形で5個の額は、花が終わった後も果実の下に残って衝羽根の形になり、樹枝が空木に似ているところから和名がつけられました。

乃東枯(なつかれくさかるる) 

<少なくなりつつある靭草(ウツボグサ)>

6月21日から二十四節気は、1年で一番日が長い「夏至」に入ります。冬至に比べると昼の長さが約5時間も長くなり、夜がその分短くなります。平安時代の女人たちは、短夜の逢瀬の切なさを歌に詠んでいます。これから盛夏に向けて日に日に暑さが増し、正午の影が1年で最も短くなります。梅雨のまっただ中なので雨の日がしばらく続き、雨に濡れる花菖蒲が艶やかになる時期です。

七十二侯は、「乃草枯(なつかれくさかるる)」で「夏至」の初侯にあたります。乃東(なつかれくさ)とは、漢方薬に用いられる夏枯草(カコソウ)の古名で、宇奈月の草地に生えるシソ科の靫草(ウツボグサ)のことです。

花穗だけが枯れて黒ずんだ色になるので、夏枯草の名の由来となっています。半年前は「冬至」の初侯で「乃東生(なつかれくさしょうず)」で、夏枯草が生まれ半年たつと枯れていきます。昔も今も季節は正確に巡っています。

舞鶴草(マイヅルソウ) ユリ科

<鶴が舞っているような形の、貴賓ある花>

舞鶴草(マイヅルソウ)は、宇奈月の亜高山帯の涼しい樹林内に生えるユリ科の多年草です。今年も雪解けの樹林内に、群生しています。

葉は、心臓型で2から3個互生しています。花は茎の先端に総状花序に付きます。秋になると黄色い照葉の上に赤い実を付けます。

葉脈の独特な曲線を、鶴が羽を広げた形に見立てたところが和名の由来となっています。

木葉形硝子皿

<初夏の旬魚>

富山湾の初夏の旬魚が水揚げされるようになりました。匠膳のお造りです。本日は栄螺、太刀魚、のど黒、富山海老です。

季節の器は、「木葉形硝子皿」です。葉の葉脈も巧みに表現されています。北欧で作られた硝子皿です。

梅花空木(バイカウツギ) ユキノシタ科

<初夏の風物詩、梅花空木>

梅花空木(バイカウツギ)は宇奈月の岩石地に見られるユキノシタ科の落葉低木です。枝先に総状の集散花序をだし、白く芳香のある花をつけます。4枚の花弁は重なり合い先端部がわずかにくぼみ、梅花を思わせる清楚な花です。

枝は又状に横に広がり、葉は対生して卵型で3本の葉脈がはっきしているのが特徴です。茎には白い綿のような髄が詰まっていて、これを取り除かないと水揚が困難です。

紫式部(ムラサキシキブ) クマツヅラ科

<秋には濃紫色の実になる>

紫式部(ムラサキシキブ)は、宇奈月の山野の林内や林縁に生えるクマツヅラ科の落葉低木で、小枝は斜上しますが先は垂れやすくなります。

葉は単葉で、葉身は8cm前後の長楕円形で、先は尾状に尖り基部は狭い楔形になっています。縁には細かい鋸歯があり、両面はほとんど無毛です。

葉腋から集散花序を出して淡紅紫色の花をつけます。石果は降霜のころ、光沢のある濃紫色に熟し、落葉後も枝に残ります。

緑交趾笹形皿

<鮎で黒部川を味わう>

富山県内の主な河川の鮎の解禁が間近となりました。黒部川は雪解水で水温が低いため、鮎は宇奈月温泉までは遡上できません。従って黒部川扇状地の扇頂部の愛本より、下流で鮎釣りが行われます。今年は天然鮎の遡上が遅いので、まだまだ数が少ないようです。初物を炭火で時間をかけてじっくりと焼き上げます。

季節の器は、「緑交趾笹形皿」です。鮮やかな緑釉に蓼と鮎が美しく映えます。

夏灯台(ナツトウダイ) トウダイグサ科

<形状が最も面白い花>

夏灯台(ナツトウダイ)は、宇奈月の杉林等の林中に生えるトウダイグサ科の多年草です。 

茎は紅色を帯びて切ると白い汁が出ます。葉は先の丸い披針形で互生しまが、茎頂で5枚の菱状長楕円形の葉を頂生し、そこから5本の枝を出します。更に枝は二股に分岐し、2枚の広卵状三角形の苞葉を付けその間に小さな盃状の花序をつけます。苞葉(ほうよう)とは、花の下に位置し葉の変形したもので芽を保護する役割を果たします。

夏灯台は非常に複雑に入り組んでいるように見えますが、よく見るとそこには自然界の中で造られた規則正しい造形が見られます。 有毒植物ですが、根茎は薬用となります。