大葉種付花(オオバタネツケバナ)アブラナ科

<クレソンに似て、辛みがある>

大葉種付花(オオバタネツケバナ)は、宇奈月の山地の水際や湿地などの生える、アブラナ科の越年草です。

茎は直立して分岐し、冬越しの根出葉は地に接してロゼット状に、大根の葉のように広がります。早春の弱い日光を少しでも多く受け取るための手段です。葉は奇数羽状複葉でタネツケバナよりも小葉が大きいです。茎先に総状花序を出して、十字形に4枚の白い花弁を持つ小さな花を多数花穂に付けます。

爽やかな辛みがあってお浸しや天婦羅などに利用されます。

色絵綾目絵楕円皿

<大胆な菖蒲絵>

黒部市の生地漁港には、大物の「のど黒」が水揚げされています。大きな網目の刺し網漁なので、脂ののった大物だけが獲れます。雅膳の一皿は、朝どれの「のど黒」の焼物です。その他、お造り、しゃぶしゃぶにもできます。お薦めの地酒は千代鶴の「恵田」です。重みのあるしっかりとした味わいなので、脂ののった「のど黒」に合います。富山県が生み出した酒米「富の香」を使用しています。不思議な香りをお楽しみください。

季節の器は、「色絵綾目絵楕円皿」です。綾目の大胆な構図が、目を引きます。

甘野老(アマドコロ) ユリ科

<花は2個づつぶら下がって咲く>

甘野老(アマドコロ)は、宇奈月の山野の林縁に自生するユリ科の多年草です。

草丈は50cm前後で、茎は地下茎の先端から少し斜めに立ち、6本の稜角があり少し角ばった感じがします。形状のよく似たナルコユリの茎は、丸みを帯びています。

葉は幅広い長楕円形で左右に互生し、先が尖ります。花は、上部の葉腋葉の付け根から基部で2分した細い花柄に細い釣鐘形の白色の花をつけます。花は2個づつ垂れ下がって開き、先は緑色がかっています。

若芽や地下茎は甘みがあり、春の山菜として食べられます。和名は、根茎の見た目がヤマノイモ科のオニドコロに似ており甘みがあることによります。

雉筵(キジムシロ) バラ科

<黄金色に輝くキジムシロ>

雉席は、宇奈月の山野に生えるバラ科の多年草です。根茎は太く、葉を根生します。

茎は髙さ5cmから30cmで全株に祖毛が付きます。根出葉は長さ15cmから35cmになる奇数羽状複葉で小葉は5個で、まれに3個、7個、9個あり、小葉の基部に葉柄はありません。先端の小葉3個は大きく、残りは小さくなります。縁にやや深い鋸歯があります。花序は集散花序になり花弁は5個あり、鮮やかな黄金色で円形です。

根生する葉を雉の座る席に見立てたことから、和名の由来となっています。 

蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)

<相倉集落・田植えで忙しくなる頃>

5月20日から二十四節気は「小満」に入ります。小満とは陽気盛んにして万物の生長する気が天地に満ち始める頃で、立夏から数えて15日目となります。七十二侯は「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」で二十四節気「小満」の初侯になります。蚕が桑の葉を盛んに食べて成長する頃という意味です。

越中五箇山では古くから養蚕が盛んで、合掌造りの内部は養蚕の為の様々な工夫がなされています。茅葺屋根の家屋が田圃の水面に映り込む頃でもあります。日一日と夏めく日が続き、麦の収穫、田植えの準備などで農家は活気に満ち溢れます。この時期のやや強い南風を青嵐(あおあらし)と呼び、雨を翠雨、緑雨、青雨と呼び天候を色で表わす程、森羅万象は色付いています。

この頃は、異常乾燥に見舞われる時期でもあります。昭和21年5月21日、宇奈月温泉街の建設会社の作業所付近から出火し、フェーン現象と強風で火が瞬く間に八方に飛ばされ、宇奈月温泉のほとんどの建物を焼失するという大火災が起きました。そこから復興して今日の宇奈月温泉があります。それ以来5月21日は、「宇奈月温泉大火記念日」として、大規模な火災訓練がおこなわれ、宇奈月神社では火鎮祭が行われます。防火意識の高揚で、お客様の安心と安全を守っています。

朴の木(ホオノキ) モクレン科

<大形で芳香がある>

朴の木(ホオノキ)は宇奈月の山や平地に生えるモクレン科の落葉高木です。栃の木とよく間違えられ、高さ20mを越える高木は、樹皮が灰白色でまばらに分岐します。

大形の長楕円形の葉は、枝先の新しく伸びた部分に集まって互生しますが、束生しているので輪生状にも見えます。芳香のある葉は殺菌作用があるためおにぎり、お餅、ちらし寿し等、食物を包むのに用いられました。また肉厚の葉は、落ち葉になった後も火に強いので味噌や他の食材を載せて焼く器代わりにも使われています。

花は大形で芳香があり、輪生状の葉の真ん中に1個だけつけます。栃の木に蔓性の植物がよく寄生するのに対し、朴の木にほとんど見られないのは、他の植物を排除する物質を分泌する、他感作用を示すためだと考えられます。

雪椿(ユキツバキ) ツバキ科

<落葉樹林内で開花する雪椿>

雪椿は、宇奈月の山地の落葉樹林内に、群落をつくって自生するツバキ科の常緑小高木です。本州の日本海側の多雪地帯に多く分布し、ツバキの亜種として取り扱われています。

宇奈月では5月ごろ、僧ヶ岳登山道の樹林内で多く見られ、樹形は降り積もった雪に押されて直立できず背が低く分枝が盛んに行われます。花は平開 するので藪椿と見分けがつきます。木々を覆う雪が解けると赤い花を付け、残雪の白に美しく映えます。

丸葉青梻(マルバアオダモ) モクセイ科

<白い細かな花をつける丸葉青梻(アオダモ)>

丸葉青梻は、宇奈月の低山で見られるモクレン科の落葉高木で、高さが5mから15mになります。

樹皮は灰色で若枝には腺毛があります。葉は長柄の奇数葉状複葉で対生します。新梢に円錐花序をつけ、白色線形の4弁の小花を多くつける。葉は名前に反して丸くなく縁に鋸歯がほとんどないので、鋸歯のある青梻と見分けがつきます。

青梻は国産バットに利用されます。富山県南砺市のバット生産量は全国の4割を占めます。

黄交趾菖蒲形向付

<越中宮崎産・岩モズク>

越中宮崎産の岩水雲(イワモズク)が旬を迎えました。宮崎漁港は、富山県朝日町で新潟県境に位置します。

一般の水雲(モズク)は、ホンダワラ等の藻につきますが、岩水雲(イワモズク)は、岩礁につきます。太くて歯ごたえがあるので口いっぱいに磯の香りが広がります。 合わせる地酒は朝日町の林酒造の「大吟醸黒部峡」がお薦めです。 ふくよかで切れのいいお酒です。

季節の器は、「黄交趾菖蒲形向付」です。 宇奈月公園の黄色の花菖蒲が咲き始めます。

桐(キリ) キリ科

<桐は古くから家紋に使われています>

桐は、宇奈月の山地に生える落葉高木で、高さが8mから15mにもなります。古い時代に中国から入ってきて、材は軽くて美しく良質なので各地で栽培されました。主に和箪笥や琴、下駄など用途が広く身近な木材です。

葉は、対生し大型の広卵形で、粘り気のある毛が密生します。樹皮は灰白色です。枝先に淡紫色の花を円錐状に多数つけます。花は長さ5から6cm筒状鐘形で秋には果実を付けます。

桐は意匠化され、「五七桐花紋」「五三桐花紋」として家紋に使われています。桐は鳳凰の宿る木として神聖視され、菊のご紋に次ぐ高貴な紋章とされました。五七桐花紋は日本国政府の紋章として、五三桐花紋は皇宮警察本部や法務省で使われています。