仁清色絵南天絵向附

<寒鰤造り>

今が旬の寒鰤は、上質な脂がのっていますが身が引き締まっています。甘くて旨味のある脂は、全く臭みがなく身もコリコリとしています。大根おろしと醤油でいただくお造りは格別です。

季節の器は、「仁清色絵南天絵向附」です。赤絵と緑釉に金彩が使われているので華やかになります。

閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)

<雪化粧が美しい黒部の山々>

12月7日から二十四節気は「大雪」に入ります。木々の葉はすっかり散り終え、雪の日が多くなります。七十二侯は「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」で「大雪」の初侯となります。天も地も寒さで塞がれ、本格的な冬到来の頃という意味です。宇奈月温泉を取り巻く山々は雪化粧。黒部川の水面近くの名残の紅葉が、季節の移ろいを感じさせます。季節は日一日と真冬へと向かっていきます。

これからの雪景色は、最も宇奈月温泉らしい風情を醸し出します。その雪景色と湯量豊富な温泉と富山湾の海の幸は、芸術家達を魅了してきました。延楽にゆかりのある川合玉堂、中川一政、小杉放庵、堅山南風、榊原紫峰等の巨匠の作品が館内に展示されています。峡谷に面した館は、雪を愛でるのに最も適したところにあります。

染付桔梗千筋七寸皿

<如月王の薄造り>

冬になると富山湾では、ウマヅラハギが大量に水揚げされます。12月から3月まで多く水揚げされます。頭部が長くウマヅラに似ていることからウマヅラカワハギと呼ばれています。中でも体調25cm以上の大物を「魚津寒ハギ・如月王」と名付けてブランド化しています。特に薄造りがおすすめで、肝は格別に美味しいです。

季節の器は、「染付桔梗千筋七寸皿」です。桔梗の形を何重にも線で表現しています。薄造りに合います。

青楽舩形向附

<香箱蟹>

香箱蟹は、小さいながら内子、外子には格別なう旨みがあります。しかも古い器に不思議と合います。特に青楽の色合いにはうまく収まります。目で楽しめるのは器の妙技です。酒器は古九谷が合います。

季節の器は、「青楽舩形向附」で楽弘入の作です。弘入は、1871年(明治4)に12代目吉左エ門を襲名して、1919年(大正8)に石山寺の近くに隠居します。黒部川の電源開発に取り組む東洋アルミナムと日本電力が設立された年です。

橘始黄(たちばなはじめてきばむ)

<寒鰤の旨味が味わえる鰤しゃぶ>

12月2日から七十二侯は「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」で、二十四節気「小雪」の末侯となります。

師走に入り、橘が黄金に輝く実をつける頃という意味です。橘とは蜜柑や柚子などの食用になる柑橘類の総称で、古事記や日本書紀にも登場し、万葉集にも多く詠われています。京都御所や平安神宮では「左近の桜」に対して右側に植えられているのが「右近の橘」です。

宇奈月温泉では、これから冬型の気圧配置が強まり、北風が吹き荒れるようになります。日本海に雷鳴がとどろきだすと南下する寒鰤が富山湾の定置網に入ります。雪見露天風呂で温まり津和井蟹、寒鰤を食する頃となります。とりわけ鰤しゃぶの旨い季節となります。

織部沓形筒向附

<冬野菜焚合>

冬の根菜類は甘みを増し美味しくなる頃です。蓮根、人参、山芋をそれぞれ含め煮にし、とり合わせます。葛餡をかけても美味しくいただけ、体の芯から温まりますす。

季節の器は、「織部沓形筒向附」です。沓(くつ)とは、宮中や神社などで用いられ木沓の形をなし、前後が丸みを帯びていることから、楕円状を指す言葉として用いられたようです。