野茨(ノイバラ)は、宇奈月の日当たりのよい山野に自生する、バラ科の蔓性落葉低木です。
高さは2m位になり、よく分岐して繁みを作り、枝には鋭いとげがあります。葉はバラ科に特徴的な奇数羽状複葉で互生します。小葉は2~4対で7~9個つきます。
枝先の円錐花序に多数の白色の花をつけます。花弁は5個、平開し芳香があります。
投稿者: enraku
青楽長角蓋物
夏野菜が美味しくなる頃となりました。雅膳の一皿は、甘鯛と夏野菜の含め煮です。冬瓜、茄子、人参、万願寺唐辛子など沢山の夏野菜が出ています。
季節の器は「青楽長角蓋物」です。青楽とは緑釉のかけられた楽焼の俗称で、赤楽、黒楽に対して呼ばれてきました。酸化銅で緑色に呈色させます。
麒麟草(キリンソウ) ベンケイソウ科
麒麟草(キリンソウ)は、宇奈月の山地の岩場などに自生するベンケイソウ科の多年草です。
葉は肉厚の倒卵形でまばらに鋸歯があり、基部はややクサビ形で葉柄は無く、互生しています。茎は円柱状で太く、茎頂に黄色の5弁花の小花の密な集散花序を出します。
花の後にできる実は袋果で、熟すと種が岩場に放出され、新たな芽を出します。
花苦菜(ハナニガナ) キク科
花苦菜(ハナニガナ)は、宇奈月の山地や草原などに普通に生えるキク科の多年草です。
茎は細く50cm内外で、根出葉は広披針形で縁辺に不整の鋸歯があります。茎葉の基部は、茎を抱き茎の上部が分岐集散状に多数の頭花が開きます。黄色の舌状小花は8~10個あります。
茎は細く50cm内外で、根出葉は広披針形で縁辺に不整の鋸歯があります。茎葉の基部は、茎を抱き茎の上部が分岐集散状に多数の頭花が開きます。黄色の舌状小花は8~10個あります。
二輪草(ニリンソウ) キンポウゲ科
二輪草(ニリンソウ)は、宇奈月の落葉樹林内で群落を作るキンポウゲ科の多年草です。早いところでは5月初旬から開花します。
根茎は太くて短く、葉の形状は心状円形で3小葉に分かれ、小葉は3裂して切り込みが複雑なキンポウゲ科の特徴がでています。総苞片は3個で茎の先につき、無柄で3裂します。
総苞片の中心から花柄を2本出して先端に白花を単生します。二輪咲かせるので和名の由来となっています。稀に緑色の覆輪の花を見ることがあります。
片口硝子皿
雅膳の一皿は、酢の物で地鱒の酢味噌付です。春に遡上を始める桜鱒は地鱒と呼ばれています。脂ののった切り身は、一般的には酢に付け込んで押し寿司にします。富山名産・鱒の寿司です。
季節の器は、「片口硝子皿」です。のびのびとした吹きガラスの作品です。富山在住のガラス作家の作品です。
腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)
6月11日から七十二侯は「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」で二十四節気「芒種」の次侯となります。草が枯れ腐って蛍になるという意味です。出典は中国古典の菜根譚や、江戸時代の歳時記である改正月令博物筌とあります。
蛍は、土の中でサナギになり地上で羽化するので、昔の人は草が朽ちて蛍になると信じていたようです。蛍の異名に「朽草(クチクサ)」と呼ばれているところもあります。宇奈月の梅雨入りは間近です。宇奈月公園ではゲンジボタルが飛び交う頃でもあります。
宇奈月の山路の斜面では、小雨に濡れた清楚な白花の蛍袋が下向きに開花し、虫の雨宿りには格好の場所となります。清楚な山野草の蛍袋は、宇奈月周辺では白花が多く見られますが、山を越えた信州側では淡紅紫色になります。蛍袋はキキョウ化の多年草で、英語ではベルフラワー(鐘の花)で形から納得できます。花の中に蛍を閉じ込めるとその灯りが外へ透けて見えます。まさに火垂(ほたる)の所以です。
笹百合(ササユリ) ユリ科
笹百合(ササユリ)は、宇奈月の山地の草叢に生えるユリ科の多年草です。
短い花柄を持った披針形で細い葉を互生し、葉先は尖り主脈がはっきりしています。和名は、笹の葉に似ていることが由来となっています。茎は分岐せずに長さは40~70cm位です。
6月、淡桃色の漏斗状鐘形の花を横向きにつけて開花します。花に近づくと独特の芳香が漂うので、すぐに見つけることができます。茎の最下部で切ると絶えることがあります。栽培は極めて困難な山野草です。
染付山水馬上杯形小鉢
岩藻付は岩に付くモヅクです。普通のものより太めです。富山湾の宝石と呼ばれる白海老と併せてお召し上がりください。器も小鉢で。
季節のうつわは、「染付山水馬上杯形小鉢」です。小鉢ながら、呉須でしっかりと絵付けがなされています。
衝羽根草(ツクバネソウ) ユリ科
衝羽根草(ツクバネソウ)は、宇奈月の落葉樹林の林床に生えるユリ科の多年草です。
茎は、地下茎の先端から1本立ち上がって直立し、葉は4個で輪生し卵形で柄が無く、先は鋭く尖っています。 花は淡い緑色で、輪生した葉の中心から出た花柄の先に1個だけ付けます。 秋になると丸い黒い実を付け、披針形の萼片の部分が羽子板の羽根のようになります。和名は、その形からきています。