板谷楓(イタヤカエデ) カエデ科

<日一日と萌黄色の葉が広がる>

板屋楓(イタヤカエデ)は、宇奈月の山地に生えるカエデ科の落葉高木で、高さは15メートルから20メートルにもなります。

葉は対生し縁にはほとんど鋸歯がありません。同種の葉団扇楓(ハウチワカエデ)は、鋸歯があります。花は、若枝の先に散房状花序を垂れ下げ、長い葉柄の先に小花をつけます。4月から5月に、葉よりもわずかに早く開きます。新葉と同色のため、花の存在が分りづらいです。葉は、晩秋には荘厳な黄金色に輝き黒部峡谷を彩ります。

新緑の黒部峡谷を行く(出六峰)

日本一深いV字峽を縫うように走る黒部峡谷鉄道。今年は、4月20日に猫又まで運行開始されました。

5月1日から鐘釣まで、5月3日からは全線開通の予定となっています。黒部峡谷は残雪をまとった黒部の山々に柔らかな新緑が美しく映える頃となりました。

出平ダムには雪解け水が満々と堪水され、紺碧に染まった湖面には複雑な稜線が映りこみます。その稜線は六つの峰のようにそびえ立っているので出六峰と呼ばれています。毎年の雪崩で削られてできたそれぞれの谷は、大雨が降ると滝に変わります。

日本画壇の手塚雄二氏は、この静寂な地を「星宿出六峰」として屏風で発表されました。出平駅は、猫又の手前の駅でその周辺は落葉樹が自然に近い形で植樹され、緑豊かな森となっています。萌黄色の葉が広がりつつある木間から湖面が神秘的に見えます。

黒文字(クロモジ) クスノキ科

<柑橘系の芳香たつ黒文字>

黒文字(クロモジ)は、宇奈月の山地の落葉樹林内に生えるクスノキ科の落葉低木です。

樹や枝にテルピネオールやリモネンを含む精油が多く含まれ、柑橘系の芳香があります。黒文字油は抗菌効果があるので楊枝や取り箸などに用いられました。 樹皮の黒斑を文字に見立てたのが和名の由来です。 葉は、倒卵形で薄く枝先に集まり花と共に開き、樹林内の新緑の美しさを作り出しています。

花は、前年の枝の先端近くの葉腋に散形花序をつけ、葉が開くのと同時に小さな花をたくさんつけます。 雄雌異株なので雄花は雌花より大きく数も多くつきます。ともに淡黄色なの普通にみる限りでは、違いが分かりません。

黒部峡谷鉄道・全線開通

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黒部峡谷鉄道は5月1日、宇奈月から欅平(20.1Km)まで全線開通しました。

鶯が鳴き交う黒部の谷。トロッコ電車が深い谷を縫うように走っています。眼前に雪を纏った黒部の山々と、萌黄色に輝く新緑の峡谷、眼下に笹色を呈した薄濁りの黒部の流れを眺めながら黒部の探勝。

今年は、例年になく積雪が少ないので、早々と木々の花を楽しむことができます。

立坪菫(タチツボスミレ) スミレ科

<立坪菫の特徴は葉先が尖っている>

立坪菫は(タチツボスミレ)は、宇奈月の山野や低地等に普通に見られるスミレ科の多年草です。

茎は地下茎は短く、根出葉は細い葉柄があって葉身は2cmぐらいです。卵円形で葉先がとがっているのでオオタチスミレと区別ができます。花径は茎の下部と上部葉腋から花柄を出し淡紫色の小花を横向きに開きます。

立坪菫は、分布域が全国に広がり生育環境もそれぞれ違うので、野菊のように地域による個体変異が多いのが特徴です。宇奈月の野山で菫を見つけると、待望の春が来た喜びが湧いてきます。