仁清写し百合形向付

<翡翠茄子>

宇奈月温泉の山道を歩くと、芳醇な香りが漂ってきます。笹百合の開花です。6~7月ごろ淡いピンク色の花を咲かせます。野々村仁清はこれを形どって器を作ります。本歌は野村美術館と根津美術館に収蔵されています。

雅膳の一皿は、「仁清写し百合形向付」です。初夏の風を器で感じながらお料理を味わってください。

赤目柏(アカメガシワ) トウダイグサ科

<アカメガシワは、柏の種類ではない>

赤目柏(アカメガシワ)は、宇奈月の山野に普通にあるトウダイグサ科の落葉高木です。

春先の新芽と幼葉は、紅赤色の毛に覆われて周り新緑のなかで一際美しく映えます。成葉は紅褐色の長柄が特徴で、大きな卵円形で浅く3裂することがあり、表面は深緑色、裏面は淡緑色でよく光合成が行われています。

雌雄異株で梅雨時期に枝先に円錐花序を出して、花弁のない淡黄色の小花を穂状にたくさんつけます。果実は秋に熟し、朔果で紫黒色の種子があります。種子は高温にさらされると発芽しやすくなる特徴があるので、樹林の伐採した後や森林火災の後に一気に繁殖する先駆植物です。

名前に柏がついていますが、柏ではありません。和名は、芽が赤くカシワのように食べ物を葉に包んだり、盛り付けたことに由来します。

色絵波絵向付

<鱧の湯引き>

一年で一番日が長い夏至を過ぎると、夏に向かって暑さが増していきます。7月1日から始まる祇園祭のころに鱧は旬を迎えます。梅肉を添えて牡丹鱧でお召し上がりください。

季節の器は、「色絵波絵向付」です。夏に向かっての器です。

半夏生(はんげしょうず)

<宇奈月ダムの排砂ゲートから土砂が出される>

7月1日から七十二侯は、「半夏生(はんげしょうず)」で二十四節気「夏至」の末侯となります。半夏という薬草が生える頃という意味です。

半夏は、烏柄杓(からすびしゃく)のことで、サトイモ科の多年草です。花茎の頂きに仏炎苞(ぶつえんほう)をつけ、中に肉穂花序を付ける独特な形をしています。宇奈月の山で見かける座禅草、水芭蕉、蝮草なども仏炎苞を有し肉穗花序を付けています。仏炎包とは、仏像の光背の炎形に似ている苞のことで、サトイモ科の植物に多くみられます。

この頃に降る雨は、半夏雨(はんげあめ)と言われ、大雨になることがあります。梅雨前線が日本列島に停滞するこの時期に、宇奈月ダムでは増水を利用して堆積した土砂を吐き出す排砂が行われます。昨年は、6月26日から6月28日まで上流のダムと連携して排砂されました。今年はまとまった雨量が無く未だ行われておりません。

7月1は北アルプス・立山の夏山開きで、夏山のシーズン到来です。立山黒部アルペンルートの室堂平(標高2450m)にある「みくりが池」周辺では、残雪と高山植物の見頃を迎えます。