玄鳥去(つばめさる)

<お部屋の露天風呂>

9月18日から七十二候は「玄鳥去(つばめさる)」で、二十四節気の「白露」の末候になります。春に日本にやってきた燕が、暖かい南へ帰る頃という意味です。20日は秋彼岸の入りで暑さ寒さは彼岸までの言葉通り、ようやく残暑が終わります。

燕が日本に渡ってくるのは、七十二侯の「玄鳥至(つばめきたる)」で今年は4月4日でした。宇奈月温泉で飛び交う燕は、尾羽が短い小型の岩燕です。つい最近まで黒部川の河原を飛び交っていました。黒部川の面した部屋から幾筋もの黒い線が観察でき、躍動感あふれるその姿は夏の象徴でした。その岩燕が去ると秋の気配が深まります。

陽が落ちて、草叢に集く虫の音を聞きながら部屋の露天風呂に体を沈めると、頬にあたる川風に冷たさを感じます。山間の出湯は、月影さやかな時を迎えます。延楽で至福のひとときをお過ごしください。