七寸皿・仁清色絵雪月花

<鮑香煎揚>

鮑の美味しい季節になりました。お薦めは鮑香煎揚です。雅膳の一皿です。柔らか煮とは違う甘さが味わえます。今が旬のアスパラの素揚げを添えて、お召し上がりください。

季節の器は、「七寸皿・仁清色絵雪月花」です。金彩で雪輪、赤絵で桜、皿全体を月に見立て、淵に金彩の雲をかけてあります。

深山黄華鬘(ミヤマキケマン) ケシ科

<林道沿いに咲く深山黄華鬘>

深山黄華鬘(ミヤマキケマン)は、宇奈月の山の林縁や林道沿いに一般的に見られるケシ科の越年草で、アルカロイド類を含む有毒植物です。

茎は株から叢生し、全体無毛で多汁質です。葉は柔らかく2回羽状に細裂します。花は長さ4cmから10cm程の総状花序にやや密につきます。黄色の花は、横に長い筒形で先が唇状に少し開き、一方向を向き横向きに咲きます。 果実は線形で数珠状にくびれます。

華鬘とは仏殿の内陣を飾る荘厳具です。それを飾るため金箔で装飾された花々が吊るされています。その様相から命名されています。

赤紫の紫華鬘(ムラサキケマン)は、時期を遅らせて咲き始めます 。

雷乃発生(かみなりすなわちこえをはっす)

<雪解けの原野に咲く菊咲一華>

3月30日から七十二侯は「雷乃発生(かみなりすなわちこえをはっす)」で、二十四節気「春分」の末侯にあたる。不安定な春の空に雷が鳴り始める頃と言う意味。春の雷は、恵みの雨を呼ぶ兆しとして人々が待ち望んだ。

宇奈月温泉街は、コロナウイルスの影響で静寂さそのもの。朝の露天風呂から、薄っすらと雪化粧をした稜線を望むことができる。落葉樹は銀色に輝き思わぬ造形美を作り出してくれる。日中の陽光ですぐ融けてしまう儚き情景であるが、朝風呂に浸かりながらの山々の対峙は、至福のひと時である。

宇奈月温泉街を滝のように流れるのは宇奈月谷である。この谷の流れを作る雪融け水は、これから日一日と勢いを増してくる。雪が消えた谷沿いの落葉樹の中に分け入ると、可憐な水色の花が咲き誇る。キクザキイチゲ(菊咲一華)である。雪融けの大地に一番早く開花させる花でもある。

ホタルイカ釜揚げ

<熱々の内臓が旨い>

富山湾の春の風物詩であるホタルイカは、優美な流線型で透き通った薄茶色の可憐な姿をしています。漁は、底引網漁と違って資源に優しい定置網漁業で水揚げされます。網を上げるときに一斉に青白く光るところが名前の所以です。

お造り、酢味噌和え、天婦羅、多彩な料理法がありますが、特にお薦めなのが釜揚げす。アツアツの脂ののったオレンジ色の内臓が格別です。富山の地酒が一段と味を引き立ててくれます。

桜始開(さくらはじめてひらく)

<桜、桜、桜の室礼>

3月25日から七十二侯は「桜始開(さくらはじめてひらく)」で、二十四節気「春分」の次侯にあたる。宇奈月温泉周辺は、未だ風が肌寒く桜は蕾堅し。4月10日前後の開花予定である。延楽ロビーは桜一色の室礼で、ギャラリーの日本画展示作品も桜の題材である。

松岡映丘の「東海の図」では、彼方の海原に朝日が昇り、春霞棚引く山々と手前に松と桜の大樹を配し、波の穏やかな漁村風景を題材にした作品である。児玉希望の「芳埜」は、吉野の山々の桜を気品ある色合いで優雅に描いた大作である。その他、松岡映丘の指導を受けた山口蓬春の「山佐久良」、杉山寧の「春靄」も春の香り漂わせてくれる。いよいよ春霞と、遠山桜の取り合わせが美しく映える季節となる。

向付・乾山写桜絵

<桜鯛の炊合せ>

3月25日から七十二侯は、桜始開(さくらはじめてひらく)です。今年はもうすでに桜の開花が話題になり、桜餅が菓子舗の店先に並ぶ頃でもあります。 な

富山湾ではホタルイカ、サヨリ、アイナメ等が今が旬を迎えます。なかでも桜の季節は何といっても、桜鯛が美味しくなります。雅膳の一皿は、桜鯛の炊合せです。添える新牛蒡も春の香です。

季節の器は、向附・乾山写桜絵です。うつわでも桜が味わえます。

菊咲一華(キクザキイチゲ) キンポウゲ科

<赤みがかった葉で、白花の菊咲一華>

宇奈月の原野の雪が融け始めると、すぐ開花するのは菊咲一華(キクザキイチゲ)で、キンポウゲ科の多年草です。今年は暖冬で、例年より開花時期が早いようです。菊に似た花を一輪つけることからこの名前が付きました。

宇奈月では白や淡紫色の花が多く、まれに淡紅色も見られます。暖かくなると花が開き、夜や雨の時は気温が下がるので花を閉じます。

上部に三枚の苞葉が輪生し、深く切れ込んだ葉はキンポウゲ科の特徴が出ています。多雪地の山地で普通に見られる可憐な花です。落葉樹林内でもよく見かけます。

雀始巣(すずめはじめてすくう)

<延楽・庭の枝垂れ梅>

3月20日から二十四節気は春分。太陽が真東から昇り真西に沈み、太陽が春分点を通る日で、昼と夜の長さが同じになることから二十四節気では大きな節目の日とされる。七十二侯は「雀始巣(すずめはじめてすくう)」で二十四節気「春分」の初侯でもある。雀が巣作りを始める頃という意味。この日を境に日脚が少しずつ長くなる。延楽の庭の枝垂れ梅が開花し始める。これからは春の光によって自然の表情が豊かさを増す頃だ。

21日、北陸新幹線富山駅高架下で、駅の南北を走る路面電車の軌道をつなぐ「路面電車南北接続事業」が完成し、100年の夢が実現する。この接続に伴い、富山駅の南側を走る富山地方鉄道の軌道と、駅の北側を走る富山ライトレールの軌道がつながり、約15キロのLRT(次世代型路面電車)ネットワークが構築される。

ホタルイカ酢味噌

<ホタルイカのボイルと山菜>

ホタルイカ漁も最盛期を迎え、富山湾も春らしくなってきました。朝獲れの新鮮なホタルイカを釜揚げにして山菜と酢味噌で和えます。雪融けとともに沢山の種類の山菜が出てきます。

雪の下の蕗の塔、早蕨、コゴミゼンマイ、蕗、その他菜の花、水菜、クレソンなども春の香りです。これから一段と春の彩が冴えてきます。

菜虫化蝶(なむしちょうとなる)

<早春の黒部平野>

3月15日から七十二侯は、「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」で二十四節気は「啓蟄」の末侯にあたる。厳しい冬を越したサナギが、蝶に羽化する頃という意味。菜虫とはアブラナ科の野菜類を食べる昆虫の総称。特に紋白蝶の幼虫の青虫をさす。菜の花が畑一面に咲き乱れ、羽化した紋白蝶が飛び始める頃となる。

宇奈月温泉では、まだまだ肌寒い日が続く。夜半からの雪で峡谷は雪化粧。富山湾では春の風物詩ホタルイカ漁がおこなわれている。走りのホタルイカはお造りがお勧め。細魚やハチメなどが旬を迎え、中でも「のどぐろ」のシャブシャブは絶品である。