
3月30日から七十二侯は「雷乃発生(かみなりすなわちこえをはっす)」で、二十四節気「春分」の末侯にあたります。不安定な春の空に雷が鳴り始める頃と言う意味です。春の雷は、恵みの雨を呼ぶ兆しとして人々が待ち望んだようです。
宇奈月温泉街は朝の露天風呂から、残雪の多い稜線を望むことができます。風呂に浸かりながらの山々の対峙は、至福のひと時です。宇奈月温泉の入り口を滝のように流れ落ちる渓流は、宇奈月谷です。谷を流れる雪融け水は、これから日一日と勢いを増してきます。谷沿いの雪が消えた落葉樹林の中に分け入ると、可憐な水色の花が咲き誇っています。キクザキイチゲ(菊咲一華)です。雪融けの大地に一番早く開花させる花です。