雷乃発生(かみなりすなわちこえをはっす)

<雪解けの落葉樹林内に咲く菊咲一華>

3月30日から七十二侯は「雷乃発生(かみなりすなわちこえをはっす)」で、二十四節気「春分」の末侯にあたります。不安定な春の空に雷が鳴り始める頃と言う意味です。春の雷は、恵みの雨を呼ぶ兆しとして人々が待ち望んだようです。

宇奈月温泉街は朝の露天風呂から、残雪の多い稜線を望むことができます。風呂に浸かりながらの山々の対峙は、至福のひと時です。宇奈月温泉の入り口を滝のように流れ落ちる渓流は、宇奈月谷です。谷を流れる雪融け水は、これから日一日と勢いを増してきます。谷沿いの雪が消えた落葉樹林の中に分け入ると、可憐な水色の花が咲き誇っています。キクザキイチゲ(菊咲一華)です。雪融けの大地に一番早く開花させる花です。

染付蝶絵小皿

<連続した蝶紋>

日一日と春めいてくると、富山湾の細魚や桜鯛が旨くなります。早春の旬魚たちです。延楽特製の煎り酒をつけて味わってください。合わせる地酒は清都酒造の「勝駒純米夫吟醸」です。すっきりとしたお酒が合います。

季節の器は「染付蝶絵小皿」で、永楽妙全の作品です。妙全ならではの優しくてしっかりとした書き込みです。早春のお造りに相応しいうつわです。