色絵桜透向付

<春野菜の焚き合わせ>

富山湾でホタルイカ漁が最盛期を迎えると、宇奈月の山では、雪解けの大地から山菜が顔を出します。早春の恵みです。
春野菜の焚き合わせの中にウルイ、ウド、筍等などの山菜が加わります。
春の香りをお楽しみください。

季節のうつわは「色絵桜透向付」で、江戸後期の京焼の名工である仁阿弥道八の「色絵桜樹図透鉢」の写しです。
匠に配された透かしは絶妙に満開の桜の空間を作り出します。
道八も乾山焼に倣っています。器でも桜の季節が味わえます。

色絵枝垂桜蓋物

<ほたるいかのお造り>

桜が開花すると、富山湾では白海老漁やホタルイカ漁で賑わいます。
ホタルイカは、お造りや釜揚げが最も美味しくなる頃です。

ホタルイカは可憐な生き物で、青白く発光するので見る人を魅了する。
体型が優美な流線形で、体色が透き通った薄茶色のホタルイカの造りは独特の甘みがある。ゲソだけを刺身にした「竜宮素麺」も絶品です。
スッキリとした地酒「勝駒・純米吟醸」が合います。

季節のうつわは「色絵枝垂桜蓋物」です。
蓋の部分に桜が繊細に書き込まれ、雅膳に相応しいうつわとなっています。。

仁清色絵雪月花七寸皿

<鮑香煎揚>

鮑の美味しい季節になりました。お薦めは鮑香煎揚で、雅膳の一皿です。
柔らか煮とは一味違う旨味が味わえます。
今が旬のアスパラの素揚げを添えて、お召し上がりください。

季節のうつわは「仁清色絵雪月花七寸皿」です。
金彩で雪輪、赤絵で桜、皿全体を月に見立て雪月花を表しています。
縁に金彩の雲をかけてある、気品ある七寸皿です。

乾山写桜絵向付

<桜鯛の炊合せ>

3月26日から七十二侯は、桜始開(さくらはじめてひらく)です。
今年の開花は例年より早く地域によってはピークを過ぎているところもあるようです。

富山湾ではホタルイカ、サヨリ、アイナメ等が旬を迎えます。なかでも桜の季節は何といっても、桜鯛が美味しくなります。
雅膳の一皿は、桜鯛の炊合せです。添える新牛蒡も春の香です。

季節のうつわは「乾山写桜絵向付」です。
外側、内側の見込みは、桜が満開です。

染付桔梗千筋七寸皿

<手書きの妙、千筋の平皿>

早春の割鮮は、細魚、アオリイカ、あら、鮪、甘えびと春の香りを伝えます。
ホタルイカは今が最も美味しい時で、染付の千筋の平皿に盛ると映えます。

季節のうつわは「染付桔梗千筋七寸皿」です。

桔梗の形を何重にも線だけで表現しています。
まさに職人技で、桔梗は秋の花ですが通年使いたくなる器です。

色絵綾文皿

<蛍烏賊と白海老>

宇奈月温泉の早春の調べは、蛍烏賊と白海老によって運ばれます。
どちらも今が旬で生姜醤油でお召し上り下さい。
宇奈月周辺の山々では山菜の芽吹きが始まります。

合わせる地酒は、柔らかな口当たりの「満寿泉大吟醸」です。
北前船の文化が残っている富山市岩瀬、舛田酒造のお酒です。

季節のうつわは「色絵綾文皿」です。
春は爽やかな萌黄色で、須田菁華の作品です。

織部十字形小鉢

<織部の小鉢>

粋な小鉢に旬の魚を入れて楽しみます。
小鉢には染付、黄瀬戸、赤絵、金彩、志野、備前などいろいろとありますが、今回は織部を使いました。富山湾の細魚が美味しい時期となりました。
延楽特製の煎り酒で食します。合わせる酒は、林酒造の大吟醸「黒部峡」です。

季節のうつわは「織部十字形小鉢」です。
織部の小鉢も様々な形があります。

ホタルイカ釜揚げ

<熱々のホタルイカ>

富山湾の春の風物詩であるホタルイカは、優美な流線型で透き通った薄茶色の可憐な姿をしています。
漁は、底引網漁と違って資源に優しい定置網漁業で水揚げされます。
網を上げるときに一斉に青白く光るところが名前の所以です。
お造り、酢味噌和え、天婦羅、多彩な料理法がありますが、特にお薦めなのが釜揚げす。アツアツの脂ののったオレンジ色の内臓が格別です。
富山の地酒が一段と味を引き立ててくれます。

小蓋物染付唐草

<小さな蓋物>

お凌ぎは、空腹をしのぐため出される一品です。
もち米を使った飯蒸しで、もち米と甘鯛にゆず餡を掛けたりします。
この時期は、雲丹を使った飯蒸しです。

季節のうつわは「小蓋物染付唐草」です。
小さな蓋物ながら、宝相華唐草文が染付でしっかりと描かれています。
唐草文とは、花と葉のついた蔦が律動感のある曲線を描く文様で、中国から伝わったので「唐」を使います。唐草文には法相唐草の他に忍冬唐草、葡萄唐草、蓮華唐草、牡丹唐草などがあります。

鼠志野麦藁四方隅入向付

<春の香り・春の焚合>

真真蛸の美味しい時期になりました。春の野菜との焚合です。
木の芽が春の香りを引き立ててくれます。

季節のうつわは「鼠志野麦藁四方隅入向付」です。
鼠志野は、下地に鬼板とよばれる鉄化粧を施し、麦藁の文様を箆彫りして白く表し、志野釉(長石釉)をかけて焼きます。
掻き落とした部分は、長石釉の白色になり、鉄の成分は窯の条件などにより赤褐色または鼠色に焼き上がります。