ホタルイカ

ホタルイカ漁も最盛期を迎え、富山湾も春らしくなってきました。

朝獲れの新鮮なホタルイカをボイルして山菜と酢味噌で和えます。山菜はこれから沢山の種類が芽吹きます。

雪の下の蕗の塔、早蕨、コゴミゼンマイ、蕗の他に菜の花、水菜、クレソンなども春の香りです。

これから一段と味が冴えてきます。

雪解け進む黒部の山々

黒部川は、立山連峰と後立山連峰の山々の雪解け水を集めてその流れを作っています。これから日一日と雪解けで、水量が増え激流となって富山湾に注がれます。

真ん中の高い山は、右から清水岳(2593m)、その奥が旭岳(2867m)、さらにその奥が白馬岳(2932m)と連なっていきます。その稜線が、富山県と長野県の県境となり高山植物の宝庫となっていますます。ちなみに宇奈月温泉から白馬村まで直線距離で13kmですが、車で行くとなると糸魚川から148号線を使って3時間の道程です。

桜始開(さくら はじめてひらく)

<桜の飾付>

3月26日から七十二侯は桜始開(さくら はじめてひらく)で二十四節気「春分」の次侯にあたる。宇奈月温泉周辺の桜は未だ蕾で、4月10日過ぎの開花予定。

延楽ロビーでは桜一色の飾りつけ。ギャラリーでの展示の日本画も桜の題材である。松岡映丘画伯の「東海の図」では、彼方の海には朝日が昇り、春霞棚引く山々と手前に松と桜の大樹を配し、波の穏やかな海辺を描いた漁村風景である。堂本印象画伯の「野桜行」は、桜を愛でる女性を華やかな装飾を用いて優雅に描かれた春爛漫の作品である。

いよいよ春霞と遠山桜の取り合わせが楽しめる季節となる。

向付・乾山写桜絵

<桜鯛の炊合せ>

3月25日から七十二侯は桜始開(さくら、はじめてひらく)で、二十四節気の春分の次侯にあたります。桜の開花が話題になり、桜餅が和菓子屋の店先に並ぶ頃でもあります。

富山湾ではホタルイカ、サヨリ、アイナメ等が獲れ今旬です。桜の季節は何といっても桜鯛が美味しくなります。雅膳の一皿は、桜鯛の炊合せです。添える新牛蒡も春の香です。

季節の器は、向附・乾山写桜絵です。器でも桜が味わえます。

雀始巣(すずめ はじめてすくう)

<延楽・庭の枝垂れ梅>

3月21日から二十四節気は春分。太陽が真東から昇り真西に沈み、太陽が春分点を通る日で、昼と夜の長さが同じになることから二十四節気では大きな節目の日とされる。七十二侯は「雀始巣(すずめ はじめてすくう)」で二十四節気「春分」の初侯でもある。雀が巣作りを始める頃という意味。

この日を境に日脚が少しずつ長くなる。延楽の庭の枝垂れ梅が開花し始める。これからは春の光によって自然の表情が豊かさを増す頃だ。

菜虫化蝶(なむし、ちょうとなる)

<早春の黒部平野>

3月16日から七十二侯は、「菜虫化蝶(なむし、ちょうとなる)」で二十四節気は啓蟄の末侯にあたる。厳しい冬を越したサナギが蝶に羽化する頃という意味。

「菜虫」とはアブラナ科の野菜類を食べる昆虫の総称。特に紋白蝶の幼虫の青虫をさす。菜の花が畑一面に咲き乱れ、羽化した紋白蝶が飛び始める頃となる。ところが宇奈月温泉では、夜半の雪で山々が雪化粧する日が続く。黒部川下流の黒部平野では雪がほとんど消え春めいて、雲雀のさえずりが確認できた。

白えび料理

富山湾に春の訪れを告げる白えび漁は、4月1日から解禁。富山湾沖合2kmから3kmで河川延長地帯が漁場となっている。漁法は底引き網で小型漁船。

白えびは淡いピンク色で富山湾の宝石と呼ばれる。その料理方法も多彩で、お造り、唐揚げやかき揚げ、つみれ鍋、釜飯など延楽「春の膳」でご賞味あれ。

地酒は館主お薦めの勝駒純米吟醸、千代鶴純米吟醸、黒部峡大吟醸、羽根屋大吟醸、苗加屋純米大吟醸。

ホタルイカのお造り

雪を頂いた立山連峰が美しく映える春の富山湾。波打ち際が青白く幻想的に光り出すと、富山湾の春の風物詩「ホタルイカ漁」の始まりです。

ほたるいか料理の中でもお造りは絶品で、甘みがあり歯ざわりの良い食感は格別です。地元漁師愛用の特別醸造のお醤油におろし生姜で召し上り下さい。

桃始笑(もも はじめてさく)

<花桃の小径>

3月11日から七十二侯は「桃始笑(もも はじめてさく)」で二十四節気の「啓蟄」の次侯にあたる。桃の蕾はふくらみ花が咲き始める頃という意味。

黒部川の水力にいち早く目をつけたのは福沢桃介である。そして明治40年(1907年)日清紡績株式会社を起こす。翌年に東京下亀戸に第一工場を建て、続いて黒部川の水力電気を利用して黒部川下流域の入善町に第二工場を建てようという目論見をもって、明治42年(1909年)に黒部川に訪れている。その後実地調査も行われ、明治43年5月に工場誘致に関する合意の調印式が東京事務所で行われたが、経営をめぐって他の役員と対立し役員を辞任する。それをもとに入善工場の計画も消えた。後に大阪送電、大同電力の社長となって木曽川水系の電源開発を始める。桃介は、1922年に木曽川に建設した須原発電所に、ドイツから持ち帰った桃の木を植樹する。その桃の木は1本の木に3色の花を咲かせる3色桃である。現在、黒部川水系、木曽川水系は関西電力が開発管理している。

2年前の「黒部川開発100年」の記念植樹に三色桃を宇奈月温泉の八太蔵発電所跡に、100本植樹した。開花予測は、4月末である。ちなみに日清紡績のマークは桃である。

桃形向付・仁清色絵桃絵

<才巻と春野菜の炊合せ>

3月10日から七十二侯は、桃始笑(ももはじめてさく)で二十四節気の啓蟄の次侯にあたります。桃の蕾はふくらみ花が咲き始める頃という意味です。

宇奈月の里は、まだ寒さは残るが一雨毎に春が近づいてくるのが感じられます。かつてこの地は、桃の木が沢山生えていたので桃原と呼ばれていました。

郷土史研究家の野島好二氏によると、奈良時代にこの地に神武天皇の御陵があると聞いて、当時の国司であった大伴家持がこの地を訪れたという言い伝えがあるとか。

雅膳の一皿は、今が旬の才巻と春野菜の炊合せです。
季節の器は桃形向附・仁清色絵桃絵です。桃の形の器は卓上を華やかにしてくれます。