秋の室礼(収穫の頃)

お食事処「清渓」と料理茶屋「竹次郎」の秋の室礼です。

今年も黒部川扇状地では、香り高いコシヒカリの収穫が終わろうとしています。名水の里では秋野菜が瑞々しく育っています。黒部の山では、キノコが出ています。実りの秋、収穫の頃です。

母なる黒部川に感謝し、実り多き土地に感謝し、黒部の自然に感謝した室礼です。

令和記念特別展「田渕俊夫・至極の日本画」

<叢叢賛歌(再興第70回院展)>
令和記念特別展「田渕俊夫 至極の日本画」より

黒羽峡谷・セレネ美術館では、令和特別記念展として、至極の日本画・田渕俊夫展が開催されている。その出品作品の中に「叢叢賛歌(再興第70回院展)」という名作がある。長久手時代の作品である。様々な雑草の生きる姿を通して、生命の賛歌を描く。そして季節などは一切無視して、自由自在に田渕画伯の草むらを作り上げる。二十四節気が、すべて包み込まれた世界のようである。

禾乃登(こくのもの すなわちみのる)

<夜が深まるにつれ艶やかになる>

9月3日から七十二侯は「禾乃登(こくのもの すなわちみのる)」で二十四節気の「処暑」の末侯にあたる。禾の文字は、植物の穂の形からできており豊かな実りを象徴する。

稲穂が膨らんで田圃が黄金色になる二百十日は、台風到来の時節である。風の厄日に風神鎮魂を願う踊り「おわら風の盆」が行われる。今日は9月3日で最終日である。舞台となる八尾は井田川と別荘川が作り出した河岸段丘に石垣を築いて拓いた坂の町である。三味と胡弓が奏でる叙情性あるおわらの旋律は、訪れる人々を魅了する。

新作おわらの代表作は小杉放庵が詠んだ「八尾四季」である。

ゆらぐつり橋手に手をとりて
 渡る井田川 オワラ 春の風
富山あたりかあの灯火は
 飛んでゆきたや オワラ 灯とり虫
八尾坂道わかれてくれば
 露か時雨か オワラ はらはらと
若しや来るかと窓押しあけて
 見れば立山 オワラ 雪ばかり

昭和3年に川崎順二に招かれて詠った歌である。 その行き帰りに必ず延楽で長逗留された。今でもその足跡は数多く残されている。