日光黄菅(ニッコウキスゲ) ユリ科

<宇奈月の亜高山の草地に咲く>

日光黄菅(ニッコウキスゲ)は、宇奈月の亜高山の草地に生える、ユリ科の多年草です。

地下茎は短く、所々に肥大部があります。葉は2列に扇状に出て、上半部は湾曲して垂れます。花茎は長さが70cm前後で、上部で分岐して花序を作り、分岐点の上に苞を付けます。花はユリの花状で、花被片6個からなり、橙黄色で、朝方に開花すると夕方には萎んでしまう一日花です。

日光に多く、花が黄色で葉が笠菅に似ているの所が、和名の由来となっています。

深山唐松(ミヤマカラマツ) キンポウゲ科

<柔らかな淡緑色の葉と淡紅色の花は貴賓があります>

深山唐松(ミヤマカラマツ)は、宇奈月の深山の湿り気のある林の縁に生えるキンポウゲ科の多年草です。

細くて硬い茎は、30cmから80cmになります。根生葉は一株から一枚出て2回、3回3出複葉で長い柄があります。小葉は長楕円形で浅裂し質は薄く、下葉は粉白色で縁には鈍い鋸歯があり、葉先は徐々に細くなります。 茎葉は2枚から3枚付き上部のものは単葉となります。

唐松草より小型で、葉柄の基部に托葉がないので見分けが付きます。花は茎頂に散房状につき白色で希に淡紅紫色の花も見ます。

蕺草(ドクダミ) ドクダミ科

<身近な花でも美しさ再発見>

蕺草(ドクダミ)は宇奈月の道端等に自生しているドクダミ科の多年草です。 全草に臭気がありますが、加熱すると臭気が和らぐので山菜として食されます。

中国やベトナムでは香草として大切にされています。 この香草には、殺菌や止血などの優れた薬効を持っているところから民間治療薬として活用されてきました。

茎頂に4枚の白色の総苞のある棒状の花序に、黄色の花穂を密生させます。 花穂には花弁も萼もなく、雄しべと雌しべのみから成り立っています。 身近にある花ですが、一輪挿しに入れると落ち着いて見え、掛け花にも見事に合います。

土潤溽暑(つちうるおうて むしあつし)

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<見頃を迎えた球紫陽花(タマアジサイ)>

7月28日から七十二侯は、「土潤溽暑(つちうるおうて むしあつし)」で二十四節気「大暑」の次侯にあたる。溽暑(じょくしょう)とは湿気が多く、蒸し暑い状態のことを表す。梅雨の湿気を帯びた大地に、強い日差しが照りつけて蒸し暑くなる頃という意味。

今年は昨年より15日遅く、7月24日に梅雨が明けた。毎日猛暑が続く中、雪解けが進み、黒部の山々の雪形は、日々小さくなる。

黒部川の水量は例年に比べると少なく、宇奈月ダムからは水が流れていない。黒部川本流の流れは、ダム直下にある宇奈月発電所の発電機を廻し終えた水が放出され、川の流れを作っている。

早朝の山から吹き下ろす風は冷たく心地良い。やまびこ遊歩道の球紫陽(タマアジサイ)が見頃を迎えた。雨上がりの薄紫の紫陽花は、幾分かの涼しさを与えてくれる。つぼみの形が球状なので名前の由来となっている。

唐松草(カラマツソウ) キンポウゲ科

<托葉があるのが唐松草>

唐松草は、宇奈月の亜高山の草地に生えるキンポウゲ科の多年草です。 亜高山の谷から冷たい風が吹き上げる稜線の草原に生えます。

茎は高さが70cmから90cmで唐松草の仲間では大型で、無毛で蝋のような感触です。 葉は、3出羽状複葉で3から4回分かれ小葉は倒卵形で3浅裂し、葉質は薄く裏面は緑白色で短い葉柄があります。 イタドリの繁みの中で、葉に陽光が当たると美しい柔らな萌黄色が浮かび上がります。

花は、8月前後に茎の先端や枝先ににつく複散房状の花序につき、蕚片が特徴で広楕円形で開花後落ち、他の唐松草には見られません。 雄しべは多数あって花糸が棍棒状に膨らみ白色でよく目立ちます。

黄釣舟(キツリフネ) ツリフネソウ科

<全草がみずみずしい>

黄釣舟(キツリフネ)は、宇奈月の山中の湿地に生息する、ツリフネソウ科の一年草です。茎は、50cm前後で軟らかく、多汁質で直立しています。葉は長楕円形で薄く、粗い鋸歯があり、少し膨らみを持った節に、互生して付きます。

夏、葉腋から細い果柄を出し、3~4個の花を付けます。萼片、花弁ともに黄色で、下の萼は、後ろに距を突き出し、下に曲がる花弁の内側に、赤褐色の斑点が出てきます。

果実は細長く、触れると種子をはじき出します。

四葉鵯花(ヨツバヒヨドリバナ) キク科

<亜高山に咲く四葉鵯花>

四葉鵯花(ヨツバヒヨドリバナ)は、宇奈月の深山の草地に生えるキク科の多年草で、別名は車葉鵯ともいいます。

茎は直立して分岐せず高さは100cm前後になります。葉は3~4個が輪生して鋸歯があり、葉柄がない。あっても短いです。茎の上部に散房状に集まる頭花が付きます。各頭花は淡柴色の管状花からなります。

葉が4個輪生し、鵯の鳴く頃に開花するところから、名前の由来となっています。

牡丹蔓(ボタンヅル) キンポウゲ科

<次から次へと開花する>

牡丹蔓(ボタンヅル)は、宇奈月の山道に多く見られるキンポウゲ科の落葉藤本です。藤本(トウホン)とは蔓のことで、細長く伸びて他物に絡みついたり地面を這う茎をいいます。

葉が牡丹の葉に似、蔓性なのでこの名前がつきました。牡丹型の葉の植物は、キンポウゲ科が多いようです。切れ込みが深く紅葉型の葉は、キンポウゲ科の特徴です。

牡丹蔓は低木等に絡みつき、木全体を覆ってしまうので、雪がついたように見えます。宇奈月の山は、葛、蔓紫陽花、岩絡、等の蔓性の植物が増え、勢力を伸ばしています。山の手入れが行われなくなったのと、蔓を食べる野ウサギなどの小動物が少なくなったからです。

髪剃菜(コウゾリナ) キク科

<登山道沿いの咲く髪剃菜>

髪剃菜(コウゾリナ)は、宇奈月の登山道沿いに見られるキク科の越年草です。

根出葉は、ロゼットを作って地表に広がります。葉は、倒披針形で束生し、中心から茎を直立し上部で分岐します。全体に褐色の硬い毛があり、触るとザラつきます。

枝の先に、黄色の舌状花からなる頭花をつけます。和名は、硬い毛を髪剃りにたとえたようです。

鵯花(ヒヨドリバナ) キク科

<アサギマダラが好む鵯花>

鵯花(ヒヨドリバナ)は、宇奈月の山路や日当たりの良い草原などに生えるキク科の多年草です。

茎は高さ1mから2mと大きく全体にざらつきがあり、紫色の細点があります。葉は対生し、卵状長楕円形で縁に鋸歯があります。初夏、茎頂に白色、稀に帯紫色の多数の頭花を散房状につけます。鵯の鳴くころに開花するのでこの名前が付きました。アサギマダラが好む花です。

アサギマダラは、浅葱色(青緑色)が美しい蝶で、春から夏の初めにかけて本州の1000m以上の涼しい高原地帯で繁殖します。

鵯花に集まるのはほとんどがオスです。オスは性フェロモン分泌のために、そこに含まれる毒性のピロジジンアルカロイドの摂取が必要と言われています。

移動中に白いタオルを振りかざすとよく集まってくる面白い習性を持っています。この習性を利用して一時的に捕獲をして、翅のマーキングを見てどこから飛んできたのか調べます。秋には南下を始める興味深い蝶です。