赤地金襴手宝相華唐草文

<宝相華唐草文が焼き付けられている>

雅膳の千代口は、蓴菜(じゅんさい)の酢の物です。ぬめりのある食感は、初夏を感じる爽やかな一品です。蓴菜は、水のきれいな沼の底に根を張り、水面に葉を浮かべるスイレン科の浮葉植物です。若い茎や葉は粘液質を分泌し、これで覆われた若芽を食材とします。

季節のうつわは「赤地金襴手宝相華唐草文」で、永楽妙全の作です。赤地金襴手とは、金彩色絵磁器のことです。赤の地釉を使い、金泥や金箔を宝相華や唐草文などに切り貼り、それを焼き付けた器です。着物の金襴に似ているところから金襴手と呼ばれるようになりました。

地釉の別によって、五彩(赤絵)に金彩を加えた、赤絵金襴手、赤を地釉に用いた赤地金襴手、瑠璃釉上に金彩を加えた瑠璃地金襴手、その他萌黄地金襴手、黄地金襴手、白地金襴手などがあります。