吊花(ツリバナ) ニシキギ科

<緑色の小花を多く付ける>

吊花(ツリバナ)は、宇奈月の山地に自生するニシキギ科の落葉低木です。樹皮は灰色で滑らかです。

樹高は、5m前後になり全株無毛で、本年枝は、丸く緑色で細いです。葉は短い柄があり単葉で対生し、長楕円形で細い鋸歯があります。花柄は7cm前後で葉腋から集散花序を下垂し、緑白色の花を数多くつけます。蒴果は熟すと5裂し、橙赤色の仮種皮に包まれた種子が5個顔を出します。

真弓(マユミ) ニシキギ科

<紅葉が美しい>

真弓(マユミ)は、宇奈月の山に生えるニシキギ科の大形の落葉低木です。
近縁種にはツリバナがあります。

1年目の枝は緑色をしています。老木になると幹には縦の裂け目が目立つようになります。葉は、長楕円形で対生し細い鋸歯があり、葉脈がはっきりしています。秋の紅葉が美しいです。5~6月にかけて、前年枝に、柄のある集散花序をつけ淡緑色の4弁の小花が開きます。蒴果は、倒三角形で枝にぶら下がるように付きます。

和名は、この材で弓を作ったことによります。

染付花菱文皿

<染付の花菱文>

雅膳のデザートは、果物の色を引き立たせるため白磁の皿を用います。コバルトブルーのシンプルな線が和の雰囲気を与えます。

季節の器は「染付花菱文皿」です。呉須の繊細な線が器に貴賓を与えます。花菱文の他に、松菱文や雪割文の染付の文様が白磁には美しく映えます。

紅花栄(べにばなさかう)

<黒部川扇状地を走る>

5月26日から七十二侯は「紅花栄(べにばなさかう)」で、二十四節気「小満」の次侯となります。

紅花が色付き、黄橙色から艶やかな紅色へと変わる頃という意味です。小満は、陽気盛んにして万物ようやく長じて満つということなので、紅花の濃厚な色合いは夏らしさを感じさせてくれます。紅花は原産が地中海沿岸と考えられ、シルクロードを経由して奈良時代に日本にもたらされ、口紅や布の染料や漢方薬などに利用されてきました。現在国内では山形県の一部でわずかな数しか作られていませんので、身近な花には程遠いようです。

田圃に水が張られる頃、黒部市ではカーター記念「黒部名水マラソン」が行われます。今年は5月22日に行われました。日本陸上競技連盟公認コースのフルマラソンで、黒部川扇状地、黒部川湧水群、黒部の海岸線を走ります。文字通り山、川、海を満喫できる自然豊かなマラソンコースとして人気があります。

1984年に、アメリカ合衆国第39代大統領ジミー・カーター氏がYKK創設50周年の招待で黒部市を訪れられました。その時、宮野運動公園で開催されたジョギング大会が始まりとなっています。昨年はコロナ禍により中止となりましたが、本年は39回目として開催されました。特にフルマラソンの参加者は、回数を重ねるごとにリピータの方が増え、質の高い内容となっています。

白花空木(シロバナウツギ) ユキノシタ科

<まれに白花のタニウツギがある>

白花空木(シロバナウツギ)は宇奈月の山道の則面に生えているのが、まれに見られるユキノシタ科の落葉低木です。

葉は、谷空木と同様、対生で楕円形になり、先は長くとがり縁には微細な鋸歯があります。 花は、新枝の先端や葉腋に散房花序を出し、2から3個の花をつけます。 花冠は白色で筒状鐘形で上部が次第に膨らんで先は5裂しています。枝の中に幾分か空洞があり、白色なので和名の由来となっています。

原種は北海道や日本海側に多く見られます。そのほか宇奈月には沢山のウツギの種類が見られます。

沢蓋木(サワフタギ) ハイノキ科

<雄蕊は多数で花冠より長い>

沢蓋木(サワフタギ)は、宇奈月の山の斜面に自生する、ハイノキ科の落葉低木です。沢を蓋をするように茂るのでこの名前が付きました。別名は、錦織木(ニシゴリ)で、灰汁を紫根染めに用いたことに由来します。

樹高2m前後で、よく分岐し、葉は楕円形で両面にざらつく短毛があります。5~6月、新枝の先に円錐花序をつけ、多くの小さな白花が開きます。花冠は深く5裂し梅の花に似て、雄蕊は多数で花冠より長くなります。石果は瑠璃色で秋を彩ります。

針槐(ハリエンジュ) マメ科

<甘い香りを放つ針槐・ニセアカシア>

針槐(ハリエンジュ)は、宇奈月の音沢地区の道路沿いに生えるマメ科の落葉高木です。北米原産で日本各地に移植され成長が早く、よく増えます。最近では黒部川の河原での増殖が目立ちます。

直幹性で樹高は20m善城になります。葉は、長さ20cmぐらいの奇数羽状複葉で互生します。基部に1対の棘があります。5~6月、新梢の葉腋に総状花序を垂れ下がらせ白い蝶形花を多数開き、甘い芳香を放ちます。

この花から上質な蜂蜜が採れることから、有用な蜜源植物となっています。ちなみに蜂蜜王国の長野県では74%の蜂蜜が針槐の花から生産されています。

針槐(ハリエンジュ)は、ニセアカシアと呼ばれ、詩や歌謡曲にうたわれているアカシアのほとんどがニセアカシアです。

鬼板屋(オニイタヤ) カエデ科

<5角形の大形の葉です>

鬼板屋(オニイタヤ)は、宇奈月の山地の湿り気のある場所に生えるカエデ科の落葉高木で、高さが12mぐらいになります。

イタヤカエデの仲間の中では葉が一番大きく、葉身は10~25cm、幅7~14cmで掌状に5~7裂になります。葉先は尖り、表面は無毛ですが裏面には短毛が多く見られます。4月中旬から黄緑色の花をつけ、5月中旬には緑色の実をつけます。

和名は、板葺きの屋根に見立てた事に由来します。

青油滴天目輪花向付

<宇宙のような広がりの油滴天目>

富山湾の平目には雲丹が合います。延楽自家製の煎り酒でお刺身をいただきます。合わせるお酒は、地酒・勝駒純米吟醸です。

季節のうつわは、「向付・青油滴天目輪花」です。深みのある群青と油滴が生み出す宇宙観は、芸術作品となります。

蝮蛇草(マムシグサ) サトイモ科

<紫色を帯びた花柄>

蝮蛇草(マムシグサ)は、宇奈月の山林内や、宇奈月大原台等の草原に自生するサトイモ科の多年草です。

葉は鳥足状に分かれ、小葉は長楕円形で波打っているようで、先は尖り基部も細くなります。中央の茎は偽茎で、葉の基部が合わさって刀の鞘のようになっているところは葉鞘(ようしょう)と呼ばれています。茎頂には仏像の背中の炎のような形をした仏炎苞と呼ばれる花を包む苞があり、紫色の条が入ります。座禅草で紹介した苞で、水芭蕉も同様な苞があります。

蝮蛇草は雌雄異株で、筒のようになった白い苞の合わせ目に、小さな穴があいているものは雄花です。一方、雌花は穴がありません。これは雄花から花粉を付けて出てきた昆虫に受粉させるため、逃げ出せないようになっていると考えられています。受粉した花は、秋には真っ赤な実を葡萄状につけます。

宇奈月温泉スノーパークの斜面にスギナが群生します。その中に蕨(ワラビ)と蝮蛇草が混在し、鎌首を持ちあげた蝮蛇のような疑似に驚かされます。