褄取草(ツマトリソウ) サクラソウ科

<小さすぎて見過ごしてしまう、可憐な花>

褄取草(ツマトリソウ)は、宇奈月の亜高山の笹藪の中に自生するサクラソウ科の多年草です。

茎の高さは10cmぐらいで分岐せずに直立し、葉は広披針形で互生し、茎の上部では輪生します。雪解けの夏に茎の上部に花柄を出し1.5cmぐらいの白花を1花つけますが、小型なので意外と見過ごしてしまいます。萼は7片に裂け、花冠も7裂し花びらが7枚のように見えます。

名前の由来は、白い花弁の先端に淡紅色の縁取りができることが、鎧の褄取威(つまどりおどし)に似ているからだそうです。宇奈月では白花しか見ていません。

素馨(ソケイ) モクセイ科

<芳香がある白い花>

素馨(ソケイ)は、宇奈月の日陰の岩場の斜面に生える半蔓性のモクセイ科の常緑低木です。

原産はカシミールの山地でシルクロードで経て中国に入り、江戸末期に清国から日本に入りました。モクセイ科の木は、芳香があるので香水の原料に使われました。和名は蔓茉莉(ツルマツリ)でジャスミンの仲間です。

葉は、奇数羽状複葉で羽状楕円形の小葉を2から4対つけます。花は、茎頂もしくは上部葉腋から集散花序をだし白色の小花をまばらにつけます。花冠の下部は細い筒状になり上部は4裂または5裂して星状に平開します。

初夏の香りを楽しむのに適した花です。

岡虎の尾(オカトラノオ) サクラソウ科

<星形の小さな花が集まったオカトラノオ>

宇奈月の陽当たりのいい原野によく見られるサクラソウ科の多年草です。

地中に長く地下茎を伸ばして増えていきます。葉は長楕円状披針形で、先端は尖り互生します。花は、茎の上部に一方に傾いた総状花序をつくり、多くの白い花を密に付けます。花冠は5片に裂けています。

和名は花穂を虎の尾に見立てたことに由来します。

燕万年青(ツバメオモト) ユリ科

<純白で清楚な花>

燕万年青(ツバメオモト)は、宇奈月の亜高山帯の落葉樹林内に生えるユリ科の多年草です。

葉は、倒卵状長楕円形で厚みがあり根生し、万年青によく似ているので和名の由来となっています。花茎は1本立ち上がって総状に白い花をつけます。花被片は6個で夏の終わりに濃紺の実になります。

純白で清楚な容姿は山野草の中では最も貴賓があります。

山吹升麻(ヤマブキショウマ) バラ科

<雨上がりの白い清楚な花は、山吹升麻>

山吹升麻(ヤマブキショウマ)は宇奈月の山地林縁に生えるバラ科の多年草です。

雌雄異株で根茎は木質化し、葉は大きく2回3出状複葉に分かれ、卵型の小葉はさらに羽状に分かれています。 山吹の葉とよく似ているところから和名が付けられました。

花は、大きい円錐状総花序を作って開き、5個の花弁を付けます。 宇奈月では、赤升麻、山吹升麻、鳥足升麻の順に開花します。 

山荷葉(サンカヨウ) メギ科

山荷葉(サンカヨウ)は、宇奈月の深山の雪解けの沢の斜面に白根葵(シラネアオイ)などと一緒に自生するメギ科の多年草です。 

2枚の大きな葉が特徴で、茎の中ほどにから上につき、広腎臓形で2深裂し下面に毛があります。

花は散房花序に6弁の白い花を数個つけ、水に濡れると半透明になります。開花するとすがすがしい香りがして、秋には濃い青紫色の実をつけます。

鳥足升麻(トリアシショウマ) ユキノシタ科

<甘い香りで虫たちを集める>

鳥足升麻は、宇奈月温泉の山道の則面に自生しているユキノシタ科の多年草です。

梅雨時期に、葉よりも上に円錐花序が出て開花します。花柄は短く白色の小花が並んで付き、すがすがしい甘い香りがします。この香りで多くの昆虫たちを集めます。

細くてしっかりと真っ直ぐに伸びた茎を鳥の足に見立てて和名がつけられました。草むらから飛び出している鳥足升麻の姿は、白鷺が止まっているかのようです。

舞鶴草(マイヅルソウ) ユリ科

<鶴が舞っているような形の、貴賓ある花>

舞鶴草(マイヅルソウ)は、宇奈月の亜高山帯の涼しい樹林内に生えるユリ科の多年草です。今年も雪解けの樹林内に、群生しています。

葉は心臓型で2から3個、互生しています。花は茎の先端に総状花序に付きます。秋になると黄色い照葉の上に赤い実を付けます。

葉脈の独特な曲線を、鶴が羽を広げた形に見立てたところから和名がつきました。

衝羽根空木(ツクバネウツギ) スイカズラ科

<清楚な純白の花>

衝羽根空木(ツクバネウツギ)は、宇奈月の落葉樹林の中に見られるスイカズラ科の落葉低木でよく分岐します。

6月ごろ、新梢の先に黄白色で筒状鐘型の花を2個付けます。目立たない初夏を告げる花ですが、内部には橙色の網目の模様があり、その純白さは清楚な雰囲気を漂わせています。

葉は、卵状楕円形で対生します。箆形で5個の額は、花が終わった後も果実の下に残って衝羽根の形になり、樹枝が空木に似ているところから、和名の由来となっています。

夏灯台(ナツトウダイ) トウダイグサ科

<形状が最も面白い花>

夏灯台(ナツトウダイ)は、宇奈月の杉林等の林中に生えるトウダイグサ科の多年草です。 

茎は紅色を帯びて切ると白い汁が出ます。葉は先の丸い披針形で互生しまが、茎頂で5枚の菱状長楕円形の葉を頂生し、そこから5本の枝を出します。更に枝は二股に分岐し、2枚の広卵状三角形の苞葉を付けその間に小さな盃状の花序をつけます。苞葉(ほうよう)とは、花の下に位置し葉の変形したもので芽を保護する役割を果たします。

夏灯台は非常に複雑に入り組んでいるように見えますが、よく見るとそこには自然界の中で造られた規則正しい造形が見られます。 有毒植物ですが、根茎は薬用となります。