正月飾り・門松

kadomatu

昨年は、北陸新幹線の開業により多くのお客様にご来館いただきましたことに感謝し、本年も飛躍の年であるように願って今年も門松を立てました。

門松の竹の先端部の形状は、斜めに切った「そぎ」と、真横に切った「寸胴(ずんどう)」の2種類がありますが、弊館では長年「そぎ」を使っています。

松の内の1月15日まで飾り、その後門松を片付けて松納めを行います。

麋角解(さわしかのつのおつる)

<ひっそりと静まり返った、うなづき湖>

12月27日から七十二侯は「麋角解(さわしかのつのおつる)」で二十四節気「冬至」の次侯にあたる。牡鹿は、繁殖期が過ぎると角が根元から抜け落ち春になると新しい角が生え代わる。麋(さわしか)の角が抜ける頃という意味。

麋(さわしか)とはオオジカのことで、かつて中国に生息していた麋鹿(びろく)とも言われている。別名「四不像」とも呼ばれ、中国の「蹄は牛に似て牛にあらず、頭は馬に似て馬にあらず、角は鹿に似て鹿にあらず、身は驢馬に似て驢馬にあらず」という伝承からきている。

宇奈月温泉ではカモシカの生息数が年々増えている。冬は冬眠せずに餌を求めて、自分の縄張り内をゆっくりと移動する。樹木の葉が落ちて、山の斜面が雪で覆われた今頃が一番見つけやすい。温泉街から徒歩30分程で「うなづき湖」に至る。雪を纏った黒部の山々が、湖面に写り込む美しい湖である。2001年竣工の宇奈月ダムによってできた山あいの人造湖である。湖畔の雪の斜面を、カモシカが移動するのがよく観察できる場所でもあり、野生の猿もよく観察できる所でもある。

乃東生(なつかれくさ しょうず)

<乃東(なつかれくさ)の花>

12月22日から二十四節気は「冬至」に入る。1年で最も昼が短い日である。「冬至、冬中冬初め」といわれるように冬至は、冬の真ん中で真冬の始まりでもあり、この日を境に太陽が復活を始める。故に冬至を「一陽来復」と言い、物事が良い方向に向かうとされる。

七十二侯は、「乃東生(なつかれくさしょうず)」で、二十四節気「冬至」の初侯に当たる。乃東(なつかれくさ)は、冬に芽を出して夏に枯れる夏枯草(かごそう)のことで、この芽がでる頃という意味。

夏枯草(かごそう)とは、宇奈月の山野に自生するシソ科の多年草の靫草(うつぼぐさ)で、花は紫色で直立した茎の先端の密な円柱状の花穂につく。この枯れた花穂が夏枯草で、古くから漢方薬として用いられている。冬至の初侯「乃東生(なつかれくさしょうず)」は、夏至の初侯「乃東枯(なつかれくさかるる)」と対になっている。

12月22日は、「宇奈月温泉スノーパーク」のスキー場開きだが、今年は雪が全く無い。スキー場の大地には、乃東(なつかれくさ)の芽が出ようとしている。

向付・色絵南天絵

<南天の赤が美しく映える>

師走も半ば過ぎて、1年で最も日が短い「冬至」を迎えます。この時期、年末年始の行事が立て込み1年で最もあわただしくなります。

雪の降る日は、艶やかな色絵の器が映えます。延楽匠膳のお造りです。 季節の器は、向付・色絵南天絵です。南天の赤が美しく映えます。

鱖魚群(さけのうお  むらがる)

<黒部川支流で産卵するサクラマス・婚姻色が美しい>

12月17日から七十二侯は「鱖魚群(さけのうお むらがる)」で、二十四節気「大雪」の末侯にあたる。鮭の群が、産卵のため自分の生まれた川に遡上する頃という意味。宇奈月温泉を流れる黒部川の鮭の遡上は11月で終わる。

黒部川の河口から宇奈月温泉までの間に、サケが遡上するために越えなければならない堰堤がある。それは愛本堰堤である。愛本周辺は黒部川扇状地の扇頂部で、江戸時代に刎橋が懸けられたところである。黒部川下流域の最も狭い地点である。

現在の愛本堰堤は、昭和44年に流されて同48年に築造された。ここに魚道が設けられている。黒部川は急流河川で流出土砂も多い。その土砂で魚道が度々埋まり、今年も機能しなかった。故に鮭は宇奈月温泉の周辺で見ることができなかった。

ところが桜鱒は、年々数が減少しているものの、支流で確認できる。桜鱒は鱒ずしの鱒である。桜鱒は春に遡上する。春の黒部川は、雪解けで水が増水し、急流となって川幅一杯に堰堤を乗り越えて流れるので、桜鱒は遡上が可能になる。そして夏の期間は、深い淵に潜んでいる。

今年は、山の稜線が色づく10月中旬から11月初旬にかけて支流で産卵のために遡上した婚姻色が美しいサクラマスを見ることができた。この時期の黒部川は透明度が増して、水量が少ないので容易に発見できる。今年は数が多く、カワガラスが鳴き始めると産卵が始まる。

孵化した稚魚は、降海型と河川残留型に分かれ、降海型は3年かけて桜鱒となって黒部川に戻ってくる。河川残留型は山女魚となる。黒部川ではその稚魚を守るため2月の末まで禁漁となる。

熊蟄穴(くま あなにこもる)

<黒部宇奈月温泉駅から白馬岳を望む>

12月12日から七十二侯は「熊蟄穴(くま あなにこもる)」で二十四節気の「大雪」の次侯にあたる。熊が厳しい冬を乗り越えるために穴にこもる頃という意味。

例年この時季は、シベリアから寒気団が南下し、北陸に大雪をもたらす。本格的な降雪は、二十四節気の「冬至」に入ってからと予測される。

北陸新幹線が、新潟県と富山県の県境のトンネルを抜けて、朝日町の平野部に出ると眺めに圧倒される。左手には新雪に輝く北アルプス、右手には能登半島と富山湾の景色が広がる。その名座と富山湾の深海の高低差は約4千メートル。まさに絶景である。

閉塞成冬(そらさむく ふゆとなる)

<雪化粧が美しい延楽対岸の山々>

12月7日から二十四節気は「大雪」に入る。木々の葉はすっかり散り終え、雪の日が多くなる。

七十二侯は「閉塞成冬(そらさむく ふゆとなる)」で「大雪」の初侯にあたる。天も地も寒さで塞がれ、本格的な冬到来の頃という意味。宇奈月温泉を取り巻く山々は雪化粧。黒部川の水面近くの名残の紅葉が、季節の移ろいを感じさせる。季節は日一日と真冬へと向かってゆく。

これからの雪景色は、最も宇奈月温泉らしい風情を醸し出す。その雪景色と湯量豊富な温泉と富山湾の海の幸は、芸術家達を魅了した。延楽にゆかりのある川合玉堂、中川一政、小杉放庵、堅山南風、榊原紫峰等の巨匠の作品が館内に展示されている。峡谷に面した館は、雪を愛でるのに最も適したところである。

橘始黄(たちばな はじめてきばむ)

<寒鰤の旨味が味わえる鰤しゃぶ>

12月2日から七十二侯は「橘始黄(たちばな はじめてきばむ)」で、二十四節気「小雪」の末侯にあたる。

師走に入り、橘が黄金に輝く実をつける頃という意味。橘とは蜜柑や柚子などの食用になる柑橘類の総称でもある。古事記や日本書紀にも登場し、万葉集にも多く詠われている。京都御所や平安神宮では「左近の桜」に対して右側に植えられているのが「右近の橘」。

今日は冬型の気圧配置となり、強い風が吹き荒れる。深紅の葉が風に舞う。宇奈月温泉は、雪見露天風呂と寒鰤、津和井蟹が味わえる食の季節に入った。鰤しゃぶの旨い季節になる。