紫交趾菊形

<紫釉をかけた交趾>

富山湾では、津合蟹の他に紅津合蟹漁もおこなわれます。紅津合蟹は水深1000m以上の深海に生息するので、網が使えないので蟹籠を使います。魚津の漁師が編み出した漁法、蟹籠漁です。滞在の料理で使うことがあります。

季節のうつわは「紫交趾菊形」で、永楽妙全の作品です。紅津合蟹の赤が良く映えます。

紫交趾は、交趾焼のうち紫釉が主調となった三彩陶磁です。交趾焼きには磁胎と陶胎があり、高火度焼成の素焼きの生地に鉛釉系の色釉(黄・緑・青・紫)を掛けて低火度で焼成します。紫の強い交趾焼きは、中国では華北の窯で作られた陶器の特色となっています。

もととなる三彩は、日本では桃山時代に復活し、京都の楽焼が交趾焼きと呼ばれるようになりました。江戸中期、後期には、交趾三彩、康煕三彩に学んで三彩を焼いています。京の永楽保全はその代表格です。