香箱蟹は、資源保護のため1月10日で漁が終了となります。暖かい地方から梅の開花が届く頃、禁漁となります。
季節のうつわは「仁清色絵梅絵五寸皿」です。香箱蟹は華やかな色絵があいます。色絵とは上絵付け陶磁の総称で、赤絵、錦手ともいい、中国では五彩とも言います。今日のいう色絵の概念は、大正から昭和の間に用いられ始めたようです。
2024年1月
水泉動(しみずあたたかをふくむ)
1月10日から七十二侯は、「水泉動(しみずあたたかをふくむ)」で、二十四節気「小寒」の次侯となります。冬至から甦った陽光によって、地面が少しづつ温められます。「水泉」とは、湧き出でる泉の意味で、地中で凍っていた泉水が、ゆるやかながら動きだす頃と言う意味です。
出典の中国の宣明暦では「鵲始巣」で、鵲(かささぎ)が巣を作り始める頃という意味です。宣明暦は、平安時代初期に中国から入ってきた暦で、唐の徐昴によって作られました。その後、江戸時代に大統歴、貞享歴と変わり、1754(宝暦4)年、渋川春海によって日本初の宝暦歴に改められました。併せて七十二候も日本の気候風土に合うように改定されました。
11日は、鏡開きで、所によっては15日の処もあります。鏡餅の割れが多いとその年は豊作になると言われています。小寒に入ると雪の降る日が続き、その合間に穏やかな日があります。眼下に流れる黒部川では水鳥が水の流れに乗って移動していくのが観察できます。本格的な寒さは、これからです。