染付山水小判皿

<余白の美を生かした染付>

雪の日が続くと真鱈がおいしくなります。魚に雪で鱈になります。初雪のころから取れ始め、身が雪のように白いので鱈の漢字になりました。

特に真鱈の白子、真子と最高の食材となります。淡白な真鱈の造りは、唐墨と塩昆布によって旨味が増し、極上の肴となります。地元の皇国晴酒造の「幻の瀧」をぬる燗、温燗で温度を変えて飲むのもお勧めです。

季節のうつわは「染付山水小判皿」です。四代清風與平の作で細やかな筆使いは、余白の中に染付山水を浮かび上がらせます。

款冬華(ふきのはなさく)

<蕗の薹>

1月20日から二十四節気は、冬の最後の節気「大寒」に入ります。一年で最も寒い時期で、最低気温を観測するのはこの頃です。寒の内に汲んだ水は、寒の水と呼ばれ雑菌が少ないので、酒、味噌、醤油などの発酵食品を仕込むのに適しています。寒仕込みです。寒さは一段と厳しくなる一方、太陽の光は少しずつ力強さを増してきています。

七十二侯は、「款冬華(ふきのはなさく)」で二十四節気「大寒」の初侯となります。款冬(かんとう)とは蕗のことです。黒部川扇状地の土手では蕗の薹が顔を出すています。雪下の蕗の薹は、苦みが少なく蕗味噌や天婦羅で早春の香りを味わえます。

一方、富山湾では雌の香箱蟹が1月10日から資源保護のため禁漁となりましたが、雄の津合蟹漁は最盛期を迎えています。浅瀬から深海に至るまで多種多様な魚が生息する富山湾。天然の生簀と呼ばれる所以です。宇奈月温泉は、湯量豊富な温泉と山の幸と海の幸に恵まれた絶好の場所です。