禾乃登(こくのもの すなわちみのる)

<夜が深まるにつれ艶やかになる>

9月3日から七十二侯は「禾乃登(こくのもの すなわちみのる)」で二十四節気の「処暑」の末侯にあたる。禾の文字は、植物の穂の形からできており豊かな実りを象徴する。

稲穂が膨らんで田圃が黄金色になる二百十日は、台風到来の時節である。風の厄日に風神鎮魂を願う踊り「おわら風の盆」が行われる。今日は9月3日で最終日である。舞台となる八尾は井田川と別荘川が作り出した河岸段丘に石垣を築いて拓いた坂の町である。三味と胡弓が奏でる叙情性あるおわらの旋律は、訪れる人々を魅了する。

新作おわらの代表作は小杉放庵が詠んだ「八尾四季」である。

ゆらぐつり橋手に手をとりて
 渡る井田川 オワラ 春の風
富山あたりかあの灯火は
 飛んでゆきたや オワラ 灯とり虫
八尾坂道わかれてくれば
 露か時雨か オワラ はらはらと
若しや来るかと窓押しあけて
 見れば立山 オワラ 雪ばかり

昭和3年に川崎順二に招かれて詠った歌である。 その行き帰りに必ず延楽で長逗留された。今でもその足跡は数多く残されている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です