土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)

<見ごろを迎えた球紫陽花>

7月28日から七十二侯は「土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」で、二十四節気「大暑」の次侯となります。溽暑(じょくしょう)とは湿気が多く、蒸し暑い状態のことを表します。梅雨の湿気を帯びた大地に、強い日差しが照りつけて蒸し暑くなる頃という意味です。例年この時期が梅雨明けとなります。

今年の梅雨明けは7月21日でした。それ以後、猛暑が続いています。溽暑(じょくしょう)の日が続くと雪解けが進み、黒部奥山の雪形は日々小さくなります。その雪解け水は宇奈月ダムによって湛水され、うなづき湖となります。その雪解け水が、ダム直下にある宇奈月発電所の発電機を回します。発電所から出た水は黒部川本流となり黒部川扇状地へと流れていきます。

富山県内では連日猛暑日が続いていますが、早朝の宇奈月温泉は冷気を含んだ川風が心地良く、爽やかにウォーキングができます。ウォーキングコースの山彦遊歩道の球紫陽花(タマアジサイ)の開花が始まりました。球状の蕾を包む苞が外れ、中から額紫陽花が現れます。日本海側の豪雪地帯に多く見られる品種で、薄紫色の両性花は涼やかさを届けてくれます。蕾の形が和名の由来となっています。