寒椿蒔絵吸物椀

<吸物・蟹真丈>

津合蟹(ズワイガニ)漁は、11月7日から解禁となりました。今年も延楽の活蟹料理を求めて、全国から沢山のお客様がお越しになります。 活蟹会席の吸物は蟹真丈です。極上の出汁と蟹の旨味を味わう至福の一時です。

季節の器は、「寒椿蒔絵吸物椀」で、寒椿をあしらったお椀です。初雪に寒椿が合います。雪化粧した枝の間から赤色の花があらわれます。

着彩柿葉皿

<紅葉の柿の葉をデザインした器>

黒部峡谷は錦繍に輝くようになりました。延楽の対岸の稜線に初雪が降りるのも間近です。いよいよ黒部の三段染めがご覧いただけます。富山湾では秋魳(アキカマス)が水揚げされています。秋魳の磯部揚げです。

季節の器は、三代目澤村陶哉の「着彩柿葉皿」です。紅葉の季節に相応しい色鮮やかな器です。葉表は濃淡を生かした鮮やかな赤絵に緑釉が載せられ、葉脈もはっきりと彫り込んであります。

活蟹会席

<蟹刺し(蟹の洗い)>

津合蟹(ズワイガニ)漁は、11月6日から解禁となりました。今年も活蟹料理を求めて、全国から沢山のお客様がお越しになります。蟹を最もおいしく召し上がっていただくために、調理方法を長年研究してまいりました。

料理内容は、先ずは季節の前菜で始まり、時を見計らって特製出汁の吸い物で箸休め。次の料理は蟹の洗いです。透き通るような活蟹の身を、氷水にさらした蟹の洗い。とろけるような食感の中に濃い甘みが口いっぱいに広がります。

蟹味噌を甲羅焼きで召し上がっていただいてから、焼蟹の始まりです。板前がお客様の目の前で焼き上げます。焼き加減は、中身はあくまでジューシーになるように。続いて特製だしを張った蟹すき。その後はお肉を少し。ブランド牛として評判の氷見牛石焼です。そしてこの後もお料理が続きます。

黒部の山々が、うっすらと雪化粧をすると富山湾の津合蟹漁が最盛期を迎えます。

呉須赤絵福字皿

<焼き物:目鯛西京漬>

秋から冬にかけて旬となる目鯛は、脂が程よく乗って美味しくなります。伝統の西京漬は、焼き物として格別の味わいがあります。のど黒も脂がのり美味しくなります。

季節のうつわは「呉須赤絵福字皿」です。花の芯に金彩が使われているので、華やかで優しさがあります。永楽妙全の作品です。

黄瀬戸輪花向付

<秋野菜焚合わせ>

秋の深まりと共に、キノコや根菜類の秋野菜が旨みを増してきます。含め煮にした野菜に出汁のきいた葛餡を掛けて吉野仕立てにします。

季節のうつわは「黄瀬戸輪花向付」です。黄瀬戸は桃山時代に美濃で作られた黄色の焼物で、鉢や向付などの食器に優品が多く見られます。加藤唐九郎は、黄瀬戸を最も広く定義し、瓷器手、ぐい呑み手、菖蒲手、菊皿手の四種類に分類しました。

「黄瀬戸輪花向付」は、菖蒲手で油揚げ肌と呼ばれる失透明性の釉調の物です。装飾として胆礬(たんぱん)や鉄彩といった加飾の技法が用いられ、緑色や茶色とが彩となりますます。特に胆礬が器の表裏に現れるものを抜け胆礬と言って高く評価されます。秋の深まりを黄瀬戸で味わいください。

焼締六寸皿

<登窯の味わいが出ています>

秋から冬場にかけての武鯛(ブダイ)は淡白で甘味があるので、味噌柚庵焼きにします。地酒の肴に合います。富山市岩瀬の満寿泉の純米吟醸がお勧めです。切れのいい純米酒で至福の時です。

季節のうつわは「焼締六寸皿」です。使うほどに味わい深くなるのが焼締の器です。焼締めは釉薬を使用しないので、土そのものの特長が表れ素朴で味わい深い作品になります。登り窯で長時間焼くため薪や藁の灰の付着があります。それが自然釉となり思いがけない景色の器ができることがあります。

仁清色絵紅葉六寸皿

<白身魚は自家製の煎り酒で>

秋時雨で、急激に気温が下がると、紅葉の粧いが色濃くなります。 峡谷を流れる水は、ますます透明さを増します。富山湾では身が引き締まった魚が水揚げされます。

割鮮の 極めつけは、延楽特製の「煎り酒」です。 魚の旨みがしっかりと味わえる伝統の刺身ダレです。合わせる酒は羽根屋大吟醸「翼」。ふくよかな含み香をお楽しみください。

季節のうつわは「仁清色絵紅葉六寸皿」です。 露天風呂に浸かりながら、黒部の秋の深まりを静かに味わえるお薦めの時期です。

仁清色絵紅葉絵向付

<紅葉に紅津和井蟹>

紅津和井蟹が旨くなってきました。11月7日は本津和井蟹が解禁となります。富山湾の秋の味覚から冬の味覚へと変わり、紅津合蟹に本津合蟹が加わり、ますます味覚が濃厚になります。

季節の器は、「仁清色絵紅葉絵向付」です。色絵の紅葉に紅蟹が映えます。

色絵龍田川八寸皿

<雅膳秋の焼き物>

秋の雅膳の焼き物は、目鯛の西京焼きです。焼舞茸と唐墨を添えてあります。秋の深まりを味わってください。黒部の山々も色付き始めました。

季節のうつわは「色絵龍田川八寸皿」です。器でも秋の深まりを味わえます。

仁清色絵楓絵六五皿

<秋の旬魚>

朝晩の肌寒さが感じられるようになると、富山湾の旬魚が美味しくなります。キジハタ、アラ、トヤマエビ、ノドグロ等の旬魚のお造りは格別で、地酒が進みます。

季節のうつわは「仁清色絵楓絵六五皿」です。艶やかな色絵は秋の彩を楽しませてくれます。いよいよ奥黒部の山々も紅に色づき始めます。