黄瀬戸五寸皿

<黒部奥山のきのこ>

 秋の味覚きのこが美味しい季節となりました。雅膳の一皿は、きのこ霙(みぞれ)和えです。えのき、ぶなしめじ、なめこ、黒トリュフです。

季節のうつわは「黄瀬戸五寸皿」です。 山の味覚は土物が合います。黄瀬戸は文字通り光沢の強い灰釉である古瀬戸系黄瀬戸と、しっとりと潤いのある油揚げ肌を呈する釉中に、黄土を混ぜた黄瀬戸に大別されます。

巴塩竃(トモエシオガマ) ゴマノハグサ科

<スクリュー型の花を咲かせる>

巴塩竃(トモエシオガマ)は、宇奈月の亜高山帯の沢沿いや草地に生える、ゴマノハグサ科の多年草です。塩竃菊の変種となります。

茎は30~50cmで、茎先にスクリュー型の花を咲かせます。花は紅紫色で、横に巴型に咲きます。葉は長く縁に鋸歯があります。

原種の塩竃菊は茎の途中から花が出ますが、巴塩竃は茎頂にしか花が出ません。高山に見られる四つ葉塩竃も同じ種類です。

玄鳥去(つばめさる)

モーツアルト音楽祭

9月17日から七十二候は「玄鳥去(つばめさる)」で、二十四節気「白露」の末侯となります。春に日本へやってきた燕が暖かい南の国へ帰る頃という意味です。

19日は秋彼岸の入りで、暑さ寒さは彼岸までと言いますが、今年は暫くは暑い日が続きそうです。今年は、燕がやって来きたのは七十二候の「玄鳥至(つばめきたる)」で、4月5日でした。宇奈月温泉街を飛び交う燕は、尾羽が短くやや小形の岩燕です。

岩燕が去る頃に、宇奈月温泉で毎年モーツアルト音楽祭が行われます。今年は、9月16日、17日の2日間行われ、温泉街がモーツアルトの音楽に包まれます。自然豊かな山間の出湯ならではの情緒です。これからは秋が徐々に深まり、月影彩かな好季を迎えます。