織部糸巻角皿

<織部角皿>

富山湾に蜃気楼が現れる頃になると、桜鱒が遡上の準備を始めます。富山湾の沖合には、生まれた黒部川を目指して南下してきた桜鱒が定置網にかかります。雅膳の一皿は桜鱒の木の芽焼きです。

桜鱒は、雪融水で川が増水すると宇奈月周辺まで遡上し、産卵までの間は深い淵に潜んでいます。外気温が下がり、山々が色付いてくると産卵を始めます。

季節のうつわは「織部糸巻角皿」です。掻き落としの溝には、織部釉が溜まり緑色に発色します。瑞々しい黒部の新緑に合った器です。