織部十文字形小鉢

<フクラギは福が来る魚です>

富山湾の定置網にフクラギが入るようになりました。
福来魚(フクラギ)は、鰤の幼魚で体長は30~40cm、体重は500~1,000グラム位のものを指します。漢字表記でもわかるように、かつては大漁で港がにぎわったことから福が来る魚として地元民がこよなく愛してきた魚です。

漁期が比較的長く、寒鰤のシーズンより一足早い9~11月に盛漁期を迎えます。脂が少なく癖がないので、お造り、揚げ物、焼き物、味噌漬等、様々な料理の仕方で美味しく味わえます。

雅膳の一皿は、福来魚(フクラギ)の南蛮漬けです。
季節のうつわは「織部十文字形小鉢」です。小鉢には様々な形があり、日本料理には欠かせない器です。小さいながらも作家の思いや、歴史観が伝わってくる愛すべき器です。