菊花開(きくのはな ひらく)

<黒部川扇状地>

10月14日から七十二侯は「菊花開(きくのはな ひらく)」で、二十四節気の「寒露」の次侯にあたる。菊が咲き乱れる頃という意味。芸術の秋、黒部峡谷セレネ美術館では、令和記念特別展「田渕俊夫・至極の日本画」の最終日を迎える。

東日本を縦断し、猛烈な雨をもたらした台風19号により、各地で大規模な洪水被害が出た。13日の深夜、千曲川の堤防が決壊して、北陸新幹線車両基地にあった120両が浸水し、復旧が長期化する事態となった。自然災害の恐ろしさを見せつけられた。寺田虎彦が昭和の初めに「天災と国防」の随筆で警鐘を鳴らしたごとく、文明が進むほど自然の猛威による災害は激烈の度を増すのである。

田渕俊夫画伯の展覧会の終わりにあたり、今回のポスターに使用された作品「大地(黒部川扇状地)」は、洪水の繰り返しで形成された大地で、水は人間にとって両刃の刃であることを物語っている。治水という名のもとに治めた黒部川であるが、俯瞰して見ると河道には幾筋にもうねりがあり、四十八ヶ瀬を作り出した暴れ川の力が潜んでいるようにも見える。

画伯は、黒部の自然をテーマにした、数々の作品を発表された。黒部の水の作品が多い。人が大自然の中に造った横坑。厳冬期には、その傷を癒すかの如く清水がゆっくりと染み出て落ちて「氷筍」となっていく。水の優しさである。「黒部ダム」によって湛水された水が電気を生み出す、水の力強さ。氾濫を引き起こす水のうごめくエネルギーが伝わる「大地(黒部川扇状地)」。黒部の急流が作り出した「S字峡」と「十字峡」等の名品が展示された。その名品からは、人と自然との共生の大切さが伝わってくる。

御蓼(オンタデ) タデ科

<雌株の果実は紅色を帯びる>

御蓼(オンタデ)は、宇奈月の亜高山帯から高山帯にかけて分布する、タデ科の多年草です。

根茎の各節から芽を出し、中空の太い茎を伸ばし、高さが30~100cmになります。 葉は単葉で互生します。

夏から秋にかけて、上部の葉腋から花穂が伸び、総状花序となり円錐状になります。雌株の果実は、痩果で3個の翼があり、紅色を帯びます。