球紫陽花(タマアジサイ) ユキノシタ科

<苞が外れて中から紫陽花が現れる>

球紫陽花(タマアジサイ)は、宇奈月の湿った林内に群生するユキノシタ科の落葉低木です。 

若枝はよく分岐して淡緑色で毛があります。 苞が落ちると数個の枝が出て散房状に淡紫色の花をつけます。周りには4~5個の蕚が発達した白い装飾化をつけます。 中央には小さな両性化が密集します。

和名は、新梢の先に付く蕾は、総苞に包まれて球状であることに由来します。宇奈月の山では紫陽花の仲間のが多く見られます。 球紫陽花(タマアジサイ)は葉が対生しているのに対し、蝦夷紫陽花(エゾアジサイ)は葉が互生しているので見分けがつきます。 この他に蔓紫陽花(ツルアジサイ)、草紫陽花(クサアジサイ)などが見られます。

涼風至(すずかぜ いたる)

<甘い香りを漂わせる葛の花>

8月7日から二十四節気は「立秋」に入ります。まだまだ猛暑日が続きますが、暦の上では秋を迎えます。 宇奈月では日中、厳しい暑さが続くきすが早朝には、涼やかな川風の気配が感じられるようになります。立秋以降の暑さは残暑となり、手紙の時候の挨拶は「残暑見舞い」となります。今年も酷暑日は、お盆頃まで続きそうです。

七十二侯は「涼風至(すずかぜいたる)」で、二十四節気「立秋」の初侯となります。季節は少しずつ秋に向かい、涼しげな風が吹く頃という意味です。毎朝行っているウォーキングのコースの山彦遊歩道には、葛の花がたくさん落ちています。遊歩道沿いに自生している暖香梅や、黒文字の枝の間から落花してきます。

葛は、様々な樹木に絡みつき赤紫色の花を開花させ、その甘い香りを周辺に漂わせます。しかも暑さに強い植物なので、植生の範囲を拡大していきます。そんな葛の葉陰から、集く虫の音が聞けるのも間近です。