色絵松絵向付

<真鱈の雲子と海老芋>

大陸から寒気団が下りてくると、底引網で獲れる魚がおいしくなります。真鱈や鮟鱇などの鍋物が特に旨くなります。併せて根菜類も甘みを増してきます。雲子と海老芋、里芋を含め煮にして出汁のきいた吉野葛で仕上げます。

季節のうつわは「色絵松絵向付」です。雪で松の青さが引き立ちます。

雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)

<大きな門松>

12月31日から七十二侯は「雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)」で、二十四節気「冬至」の末侯となります。降り積もった雪の下で麦が芽を出し始める頃という意味です。

正月は、歳神をお迎えしてもてなし、お見送りする行事でもあります。門松は、歳神様が降りてくる際の目印となるので、太くて長い竹と大松で大きく飾り付けをします。祀る期間は「松の内」で1月1日から1月7日までとなります。

宇奈月温泉では初詣は、地元の宇奈月神社でおこないます。延楽から徒歩で6分、セレネ美術館の隣に位置します。昭和2年の創建で、地元の有志と黒部川電源開発を手がけていた日本電力株式会社(大正8年大阪で創業)の支援によって建立されました。ご祭神は、天照大神、大山祇神、大山久比神です。山の開発には大山祇神は欠かせません。手水鉢は、黒部川支流の尾の沼谷で産出した緑色の巨岩をくり貫いて作ったものです。そこに注がれる水は黒部の名水で、まことに甘露です。

延楽の8階(玄関の階)「アートサロン清渓」は、元旦で開館3年目を迎えます。1月1日~1月4日までバイオリン二重奏が演奏されます。夜は名画に包まれた空間で、朝は雪を纏った対岸の山を背景に演奏されます。ギャラリーでは「三十六歌仙屏風」、福井爽人、田渕俊夫、竹内浩一の作品の他に、「永楽妙全のうつわ展」を開催しています。