竹煮草(タケニグサ) ケシ科

<丈があるのでよく目立ちます>

竹煮草(タケニグサ)は、宇奈月の山地の日当たりのいい荒れ地に生え、高さ1mから2mにもなるケシ科の大形多年草です。竹と一緒に煮ると竹が柔らかくなり、細工しやすくなることが名前の由来となっています。

茎頂に白い小花を多数つけた円錐花序を作り、白色の2個の蕚片は開花時に落下します。葉は、掌状に深く切れ込んだ広卵形で互生し、裏面は、毛が密生し白くなり葉柄があります。茎を切ると有毒の黄色の乳液が出てきます。この有毒成分はプロトビンなどのアルカイロイドで、皮膚の炎症などを引きおこします。外用として皮膚病等に効き目があります。山が荒れはじめると竹煮草(タケニグサ)が増えるようです。

富山県水墨美術館に、菱田春草の「武蔵野」という題材の作品があります。背景に、薄墨の富士と前面に大形の植物が描いてあります。竹煮草です。掌状に深く切れ込んだ大きな葉が墨濃淡で描かれています。大形の竹煮草と大きな葉が、春草の筆を走らせたのかもしれません。