
草の黄(クサノオウ)は、宇奈月の道端の草地に生えるケシ科の越年草で、草の王とも書きます。
茎は直立し高さは70cm前後で中空で分岐し、茎を切ると有毒な黄色い汁が出てきます。葉は互生で羽状に分裂し、下部は有柄で葉身は柔らかく、下面および茎は多少粉白色を帯びて毛があります。
葉腋から出た枝先に、4個の黄色い花弁を付けます。
果実は円柱状で直立します。
草の黄(クサノオウ)は、宇奈月の道端の草地に生えるケシ科の越年草で、草の王とも書きます。
茎は直立し高さは70cm前後で中空で分岐し、茎を切ると有毒な黄色い汁が出てきます。葉は互生で羽状に分裂し、下部は有柄で葉身は柔らかく、下面および茎は多少粉白色を帯びて毛があります。
葉腋から出た枝先に、4個の黄色い花弁を付けます。
果実は円柱状で直立します。
藪手毬(ヤブデマリ)は、宇奈月の山の谷筋や湿った林縁に生えるスイカズラ科の落葉低木です。
葉は、対生で卵状楕円形、先は短く尖っています。
基部は広い楔形で、縁には鈍い鋸歯があり、葉の側脈は10対前後で、葉の縁近くまでまっすぐ伸びています。
花期は5~6月で、小さな両性花が集まる花序の周りに白色の大きな5枚の花弁の広がった装飾花が縁取ります。
装飾花は無性花でそのうちの花序の内側にある1枚の花弁だけ極端に小さくなっています。和名は藪に咲く手毬のような花の意味です。
藪手毬によく似たガマズミ属のムシカリは、5枚の花弁がほぼ同じ大きさで葉の付け根に切れ込みがあり、葉の形が亀の甲羅に似ています。
これにより区別することができます。
春雪の下(ハルユキノシタ)は、宇奈月の山の岩場に生えるユキノシタ科の多年草で、日本固有種です。岩旗竿(イワハタザオ)の育つ環境とよく似ています。
束性した葉の中央より20から30センチメートルの1本の花茎を出し、円錐状に配列した集散花序に多数の白い花をつけます。
葉は特徴ある腎円形で黄緑色で裂片には鋭鋸歯があり、花茎とともに粗い腺毛が密に生えます。
花弁は下側の2弁が長く、上側の3弁は広卵形で小さく黄色の 斑点があります。
雪の下は、赤紫色の斑点が特徴なので見分けがつきます。
稚児百合(チゴユリ)は、宇奈月の落葉樹林や杉林の中で群生するユリ科の多年草で、地下に細い根茎があります。
葉は互生し、楕円形で柄はありません。
茎頂に1個から2個の白い花を横向きか下向きにつけます。
白色の花被片は披針形で半開きし、葯は黄色です。
花被とは花の構成要素の蕚と花冠を総称していいます。
その二つが形態的に類似するかほとんど見分けがつかない場合は、まとめて花被片といいます。
稚児百合はこれにあたり、百合属に多く見られます。
花が小さくて可愛いところから、名前の由来となっています。
小さい花ですが群生していると、幾何学的な美しさがあります。
岩旗竿(イワハタザオ)は、宇奈月の日当たりよい岩間や崖の上などに生えるアブラナ科の多年草で、基部から地下茎を出します。
茎葉は、茎を抱き長楕円形で互生しています。
茎は毛が密生して細くて直立し、時には崖から垂れ下がることもあります。
茎頂の総状花序に長い花柄のある白色の十字形花冠を多数つけます。
花は下から上へと次々に咲きます。
アブラナ科の植物の特徴でもあります。
板屋楓(イタヤカエデ)は、宇奈月の山地に生えるカエデ科の落葉高木で、高さは15メートルから20メートルにもなります。
カエデ属の葉は、ほとんどが縁に鋸歯があるのに対して、イタヤカエデの葉は、対生し縁には鋸歯がなく全縁の形をしています。
花は、若枝の先に散房状花序を垂れ下げ、長い葉柄の先に小花をつけます。
4月から5月に、葉よりもわずかに早く開きます。
新葉と同色のため、花の存在が分りづらいです。
葉は、晩秋には荘厳な黄金色に輝き黒部峡谷を彩ります。
鬼胡桃は、宇奈月の谷筋や川沿いに多く見られるクルミ科の落葉高木です。
和名の由来は、種子の表面の模様が鬼の顔に見えることによります。
葉は、大形の奇数羽状複葉で互生します。
小葉は4~10対あり、卵状長楕円形で裏面はビロードのような毛に覆われています。
花期は5~6月、前年の枝に若葉と共に黄緑色で垂れ下っているのが雄花穂で、雌雄同株です。 雌花穂は若い枝の脇に10個ほど穂になって直立して咲き、雌蕊は鮮やかな赤で二股になります。
秋には脂油の多い果実が熟します。
幹は木目が美しいところから家具材として使われています。
宇奈月では、細い葉の沢胡桃も多くみられます。
縄文遺跡からクルミが出土することがありますので、当時から保存食にされていたことがわかります。
黒文字(クロモジ)は、宇奈月の山地の落葉樹林内に生えるクスノキ科の落葉低木です。
樹や枝に、テルピネオールやリモネンを含む精油が多く含まれ、柑橘系の芳香があります。黒文字油は、抗菌効果があるので楊枝や取り箸などに用いられています。
樹皮の黒斑を文字に見立てた事から和名の由来となっています。
葉は、倒卵形で薄く枝先に集まり花と共に開き、樹林内の新緑の美しさを作り出しています。花は、前年の枝の先端近くの葉腋に散形花序をつけ、葉が開くのと同時に小さな花をたくさんつけます。
雄雌異株なので雄花は雌花より大きく数も多くつきます。
ともに淡黄色なで、普通にみる限りでは違いが分かりません。
金鳳花(キンポウゲ)は、宇奈月の日当たりのいい平地に生えるキンポウゲ科の多年草です。 花は高さ50cmぐらいの花茎を出し、頂部で分岐して各枝端に1個の黄色の5弁花をつけます。
花弁は、光沢を持ち黄金色に輝くところから和名の由来となっています。
広く群生するので、風が通るたびに黄金色に波打ちます。
葉は根出葉で長い葉柄があり、掌状に深く裂け各裂片は粗い鋸歯状になっていて、キンポウゲ科の植物の特徴が出ています。
キンポウゲ科の植物は、花が美しいので観賞用に栽培されますが、アルカロイドを含む有毒植物が多く含まれとぃますので注意が必要です。
深山繁縷(ミヤマハコベ)は、宇奈月の山地の湿った林内や、谷沿いなどの湿り気のある場所に自生するナデシコ科の多年草です。
沢繁縷と似た場所に生えることがあります。
茎は叢生して分岐して斜上します。下部は地を這って広がります。
葉は対生し、葉身は卵形から心形で、先端は鋭形になっています。
基部はやや心形で長さ1.5cmになる葉柄があり、長い軟毛が生えています。
花は1個が上部の葉脈につき、無柄または細長い有毛の花柄の先につきます。
花は、白色の5個の花弁が2深裂して、10個の花弁に見えますので、沢繁縷との違いがよくわかります。