宇奈月温泉開湯90周年を記念して宇奈月温泉木管事件シンポジウムが、7月13日・15時より宇奈月国際会館「セレネ」で開催されました。
この事件は、宇奈月温泉で起きた民事事件で戦前の大審院が「権利の濫用」という文言を初めて使い、悪質な所有権の行使を認めなかった判決で、判例法の歴史に残る重要なものであり、改正民法の第1条3項に成文法化されています。
権利の濫用(宇奈月温泉事件)
事件名:妨害排除請求事件
事件番号:昭和9年(オ)第2644号
裁判年月日:大審院昭和10年10月5日第3民事判決部
(最高裁判所民事判例集14巻1965頁)
この判決は、有斐閣「民法判例百選」で第一番目の事件として登載されたり、中川善之助(金沢大学元学長)「民法風土記ー法の現場を歩く」に紹介されているので法学部の学生が最も早く目にする判例の一つです。
この事件の現地を訪ね、歴史的意義や時代背景を検証し、これを後世に伝へなけらばならないことを確認しました。
パネリスト
吉原節夫 富山大学名誉教授(前高岡法科大学長・碑の解説文を作成)
中谷延之 黒部市副市長・宇奈月町長として木管事件碑の建立)
炭田 昭 黒部観光開発㈱管理事務所副所長(黒薙温泉、引湯管の管理)
河田 稔 宇奈月の歴史と文化を楽しむ会代表(自治振興会長)
野畑真寿美 司会(ラジオミューアナウンサー)