江戸切子八角籠目紋蓋向

<カットが美しい八角籠目紋>

黒部川河口近くに生地漁港があります。ここにでは大物ののど黒が多く集まります。脂の乘ったのど黒のしゃぶしゃぶは通年で食すことができます。お造りもお勧めです。脂が多いので、炙りにすると、より美味しくいただけます。合わせる地酒は、勝駒純米酒です。

季節のうつわは「江戸切子八角籠目紋蓋向」です。八角籠目紋は竹籠の八角網目を連続させた図案です。魔除けとして使われた文様です。江戸切子には下町の職人の技が詰まっています。

色絵波絵蓋向

<初夏の器>

延楽雅膳の一皿は、鮑と夏野菜の含め煮です。日一日と暑さが増し夏野菜が旨くなります。夏野菜に出汁を絡ませると更に旨くなります。柔らかな煮鮑は、よく合います。

季節のうつわは「色絵波絵蓋向」です。波絵は夏にふさわしく、波をモチーフにした図案を加飾したものです。蓋物の他に小鉢、皿、向付、など波の絵付けがされているものが多くあり、作家や産地によって表現が違います。

江戸時代から波、千鳥、流水など琳派で使用された図案が使われ、その他に身近な植物、昆虫に至るまであらゆるものをデザイン化して器に取り入れています。現在ではその写しを見ることができます。料理と器の妙は、奥深い味わいです。

色絵山水十二角足付皿

<艶やかな色絵>

雅膳の一皿は、赤烏賊と牡丹海老の昆布締めです。軽く昆布で締めてありますので締め具合が絶妙です。季節のうつわは「色絵山水十二角足付皿」で、初代宮永東山の作品です。造形と色合いが優麗な作品です。

宮永東山は明治元年加賀で生まれ、ドイツ語、フランス語を学んだ後、東京美術学校で教鞭をとります。明治30年、農商務省に入省し2年後にパリ博に派遣され2年間滞欧し、欧州各国の美術工芸を視察して帰朝します。

明治42年に京都伏見の深草で東山窯として陶窯します。大正8年に荒川豊蔵が加わります。黒部川電源開発を提唱した高峰譲吉が、アルミ精錬会社を立ち上げた年です。翌年から黒部川の電源開発が始まります。

豊蔵は、昭和2年に北大路魯山人が主宰する鎌倉星岡窯に移るまで、東山窯で本格的に陶業を修め、大正12年には工場長となります。宇奈月の台地に木管で黒薙から引湯された年です。宇奈月温泉誕生の年で99年前の事です。

鎚目足付アルミ長皿

<夏の前菜>

夏の前菜は、夏野菜で飾ります。硝子の器の他にアルミの器を使うこともあります。アルミも硝子のように涼やかに感じられます。

季節のうつわは「鎚目足付アルミ長皿」です。

槌目とは、板材の表面に金槌などで槌の跡を打ち付けて模様をつけます。打ち付ける槌の大きさや力の加減によって槌目は変わります。アルミ本来の輝きと鎚目に反射するきらびやかな美しさから、器にも使われるようになりました。