粉引鉄山水角大皿

<鰤鎌塩焼き>

寒鰤の美味しい季節となりました。中でも鰤鎌の塩焼きは格別です。寒鰤のえらの下の胸びれのついている部分が鎌で、旨味のある脂も含んで、特に美味しいところです。大根おろしと醤油を合わせて食します。皮は香ばしく美味で、地酒も進みます。

季節のうつわは「粉引鉄山水角大皿」です。大きい鎌なので、大ぶりの器で大胆に鉄絵が施されたものが合います。

粉引は、朝鮮時代前期の15~16世紀に焼かれた白化粧陶器の一種で、韓国でいう粉青沙器に属します。鉄絵は、朝鮮半島の技法を基に16世紀末頃から、唐津や美濃の焼物に装飾の下絵付けとして用いられました。唐津の絵唐津、美濃の絵志野や絵織部、絵瀬戸等として残っています。

焼締片口皿

<津合蟹の洗い>

透き通るような活蟹の身を、氷水にさらすと花が咲きます。とろけるような食感の中に濃い甘みが口いっぱいに広がります。蟹会席の一皿の蟹の洗いです。

季節のうつわは「焼締片口皿」です。荒木義隆氏の焼締めは、土肌を感じながらも造形が美しいので料理を引き立ててくれます。

仁清色絵南天絵向附

<寒鰤造り>

今が旬の寒鰤は、上質な脂がのっていますが身が引き締まっています。甘くて旨味のある脂は、全く臭みがなく身もコリコリとしています。大根おろしと醤油でいただくお造りは格別です。

季節のうつわ「仁清色絵南天絵向附」です。赤絵と緑釉に金彩が使われているので華やかになります。

仁清水玉透向附

<毛蟹の柚子釜>

富山湾では津合蟹、紅津合蟹は、冬の味覚として知られていますが、毛蟹は知られていません。あまり市場に出回らないので、馴染みがありません。秋から冬にかけてが旬です。滞在の料理として使います。

季節のうつわは「仁清水玉透向附」で、仁清の写しです。本歌は畠山記念館、MIHO MYUSEUMに所蔵されている「白釉円孔透鉢」で、シンプルでかつシャープな造形は、現代の工芸品にもひけのとらない斬新さがあります。色絵を使わずにシンプルな色合いは仁清の多才さを感じさせます。

色絵椿絵向附

<艶やかな紅白の椿の色絵>

冬型の気圧配置が強まり、寒さが増すと蕪蒸しが美味しくなります。二十四節気の「大雪」に入りました。おろした蕪を雪に見立てるのは、和食の妙です。具は、朝どれの甘鯛を使います。

季節のうつわは「色絵椿絵向附」です。 重々しい灰色の雪雲が空を塞ぐ日が多くなる頃は、色絵の器で食卓を華やかにします。

染付桔梗千筋七寸皿

<如月王の薄造り>

冬になると富山湾では、ウマヅラハギが大量に水揚げされます。12月から3月まで多く水揚げされます。頭部が長くウマヅラに似ていることからウマヅラカワハギと呼ばれています。中でも体調25cm以上の大物を「魚津寒ハギ・如月王」と名付けてブランド化しています。特に薄造りがおすすめで、肝は格別に美味しいです。

季節の器は、「染付桔梗千筋七寸皿」です。桔梗の形を何重にも線で表現しています。薄造りに合います。