
雅膳の滞在料理の一皿です。宇奈月温泉は、山間ながら富山湾まで車で30分の距離なので、新鮮な魚介類が料理に使われます。滞在料理はお客様の希望で鰻の棒寿司です。
季節のうつわは「染付梅中皿」で、永楽妙全の作品です。たっぷりと呉須を使って見込みに梅が描かれています。落ち着いた色合の染付で、妙全らしく美しい優しい仕上がりです。
雅膳の滞在料理の一皿です。宇奈月温泉は、山間ながら富山湾まで車で30分の距離なので、新鮮な魚介類が料理に使われます。滞在料理はお客様の希望で鰻の棒寿司です。
季節のうつわは「染付梅中皿」で、永楽妙全の作品です。たっぷりと呉須を使って見込みに梅が描かれています。落ち着いた色合の染付で、妙全らしく美しい優しい仕上がりです。
立春の末候ともなれば日足も少しづつ長くなります。確実に春の兆しが感じられるようになりました。北陸ではこれから鰆が旬を迎えます。料理法も多彩でお造り、西京漬け、塩焼き、棒寿司など脂がのって美味しくいただけます。漁獲量をみても北陸が全国でもトップクラスで、特に福井県、石川県の漁獲量が多くなっています。
季節のうつわは「仁清写色絵七宝紋蓋向」です。七宝紋とは一つの円に対して四方から円を組み合わせ、それぞれ四分の一の円が重なり合わないようにした輪違い文です。七宝は仏教の七つの宝のことで金、銀、瑠璃、珊瑚、瑪瑙、真珠をさします。磁器では、江戸時代以降に使われるようになりました。
寒さが厳しくなると根菜類の甘みが増してきます。冬の根菜類は出汁を効かせて含め煮にします。雪景色の中では赤絵の器が似合います。
季節のうつわは「赤絵玉堂佳器向付」です。玉堂佳器とは、明時代の啓徳鎮の作品などにみられる銘です。立派な建物に佳い器を意味する吉祥句で、古伊万里などに見られます。
2月13日から七十二侯は「魚上氷(うおこおりをいずる)」で、二十四節気「立春」の末侯になります。春の兆しを感じて魚が動き始め、割れた氷の間から飛び出す頃という意味です。
宇奈月温泉は、近年にない豪雪で黒部川の河原には雪が多く残っています。その中を渓流が流れています。宿の対岸に小さな滝があり、長い年月をかけてほど良い大きさの滝釜となっています。
延楽の創業者の友人である洋画家の中川一政画伯のお気に入りの滝で、「琴音の滝」と名付けました。滝から黒部川に流れ落ちる清流の岩陰に、山女魚の稚魚が春めく時を待っています。
群れている稚魚の中に降海型の山女魚(ヤマメ)がいます。1年川で過ごした後、海へ落ちてカムチャッカ半島近あたりまで行き、3年後に大きな桜鱒となって戻ってきます。母なる黒部川で毎年見られる晩秋の風物詩です。
富山湾で柳鉢目が水揚げされるようになりました。2月から4月にかけ漁が最盛期を迎えます。くせのない白身で、焼き物、煮物、揚げ物などの美味しい肴になります。
地酒は「千代鶴・純米吟醸」のぬる燗がおすすめです。
季節のうつわは「織部入隅角蓋物」です。織部焼は、慶長年間から寛永年間に美濃で焼かれた、斬新奇抜な加飾陶器の総称で、その技法によって分類されます。
緑釉を総掛けしたものは「総織部」、緑釉と鉄絵の組み合わせたものは「絵織部」、赤土上に鉄絵、白土上に緑釉を施したものは「鳴海織部」、赤土上に白泥鉄絵を組み合わせたものは「赤織部」、志野風の絵付けのものは「志野織部」と分類されます。これに形が取り入れられますので、多種の織部の器が生まれます。
雪景色が美しいこの時期は、連泊されるお客様が多くなります。滞在されるお客様の料理の内容は勿論の事、器もすべて変えます。例えば、揚げ物は「ふくの唐揚げ」であったりその日に水揚げされた魚の中から選びます。
季節のうつわは「鉄釉着彩福字六寸皿」で、魯山人写しです。福福で楽しくなります。
富山県内では富山市の内山邸の梅が最も早く開花します。梅園には紅白の梅が60本植えられています。例年、立春の日に開花します。早咲きの「八重寒紅」です。料理の器でも梅を愛でたいものです。
季節のうつわは「仁清色絵梅絵六寸皿」です。
紅梅と白梅がバランスよく配してあります。
美味しい吸い物を味わうと心が落ち着きます。前菜でお酒が進むと、箸休めの吸い物がでてきます。旨味も増した蟹真丈で、心身ともに温まります。
季節のうつわは「春蘭蒔絵吸物椀」で輪島塗です。春蘭が自生している宇奈月の雑木林は、未だ雪に覆われています。待ち遠しい春に思いを寄せて春蘭蒔絵を使います。
2月9日から七十二侯は「黄鶯睍睆(うぐいすなく)」で、二十四節気「立春」の次侯になります。山里に春を告げる鶯が鳴く頃と言う意味です。宇奈月温泉周辺では3月初旬から中旬になりそうです。睍睆とは声の美しい様子を表す畳韻の擬態語で、畳韻とは韻が同じ漢字2文字を重ねることとあります。
今年は大寒に入ってから雪が降り、立春を迎えると大陸からの寒気団が再び南下します。数日寒い日が続きますが、長続きはしません。明け方の雪は、山一面に雪の花を咲かせ稜線が幻想的に見えます。山水画のような景色を、露天風呂に浸りながら眺める。まさに至福のひと時です。
ギャラリーでは、安田靫彦の「春到」が展示されています。寒中、梅香を漂わせるのは白梅です。画伯は、ご自宅の庭の花をつけた梅ケ枝を数多く描いておられます。富山気象台から開花宣言が出されるのはもうすぐです。
立春に入ると、梅の開花の便りが聞こえてきます。富山湾の津合蟹漁で漁港は活況を呈しています。蟹真丈の吸い物で箸が進みます。寒い冬には心身ともに温まる一品です。
季節のうつわは「黒漆梅蒔絵吸物椀」で、輪島塗の吸い物椀です。
平静6年能登半島地震で、輪島が壊滅的な被害を受けました。輪島塗の工房の多くが火災と激しい揺れで被災しました。輪島塗は多くの分業で成り立っています。弊館は多くの輪島塗りを使っています。一日も早い復旧、復興をお祈りいたします。