
香箱蟹の漁は、資源保護の観点から富山県は1月20日までの短期間です。期間限定となるので、器を変えて楽しみたいですね。小ぶりの器をいろいろと取り揃えて盛り付けます。染付の器にも合います。
季節のうつわは「祥瑞沓形向付」で、四代宮川香斎(初代真葛香斎)の作品です。
祥瑞は古染付と比べて上質な胎土や呉須を用い、より鮮烈な紫がかった濃いブルーの発色が特徴です。文様も幾何学文や花鳥風月を緻密に描き込んだものが多く見られます。
香箱蟹の漁は、資源保護の観点から富山県は1月20日までの短期間です。期間限定となるので、器を変えて楽しみたいですね。小ぶりの器をいろいろと取り揃えて盛り付けます。染付の器にも合います。
季節のうつわは「祥瑞沓形向付」で、四代宮川香斎(初代真葛香斎)の作品です。
祥瑞は古染付と比べて上質な胎土や呉須を用い、より鮮烈な紫がかった濃いブルーの発色が特徴です。文様も幾何学文や花鳥風月を緻密に描き込んだものが多く見られます。
急激に寒くなると、富山湾の真鱈が美味しくなります。鱈ちりの季節になりました。新鮮な雲子(白子)は絶品です。そのままポン酢で食すのも美味しいですが、上質な出汁にくぐらせていただくのもお勧めです。地酒に合います。
季節のうつわは「呉須赤絵小蓋物」で永楽妙全の作です。滑らかな純白の雲子は、小ぶりの赤絵の蓋物に美しく収まります。
富山湾に雪が舞い降りると、津合蟹の水揚げも多くなります。活け蟹会席のお造りは、蟹の洗いです。氷水で引き締めた蟹身の旨味は格別で、地酒も進みます。織部の色合いが蟹の洗いの純白の色を引き立たせます。
季節のうつわは「織部面取り平向附」です。器全体に織部釉がかけられ、粗い土の粒粒感と釉薬の濃淡が、深みのある色合いを引き出します。
面取りで削いだ面に釉薬の溜りができて濃淡を生み出します。面をとることによって器により表情が出てきます。
師走も半ば過ぎて、1年で最も日が短い「冬至」を迎えます。冬の真ん中、真冬の始まりです。この日を境に太陽が復活し始めます。一陽来復で幸運に向かうという意味も含まれています。
この時期、年末年始の行事が立て込んで1年で最もあわただしくなります。寒くなると富山湾の魚の身が引き締まり、白身魚も美味しくなります。延楽オリジナルの煎り酒に、山葵をといてお召し上がりください。
季節のうつわは「色絵南天絵向附」です。雪の日は、艶やかな色絵の器が映えます。
南天は難を転じるに通じることから縁起物の木として用いられてきました。赤い色には厄除けの力があると信じられ、縁起のよい植物として愛されてきました。
12月21日から二十四節気は「冬至」に入り、1年で最も昼が短い日です。「冬至、冬なか冬初め」といわれるように二十四節気では冬の真ん中、真冬の始まりとなります。この日を境に太陽が復活を始めます。故に冬至を「一陽来復」と言い、物事が良い方向に向かうとされます。
七十二侯は、「乃東生(なつかれくさしょうず)」で、二十四節気「冬至」の初侯となります。乃東(なつかれくさ)は、冬に芽を出して夏に枯れる夏枯草(かごそう)のことで、この芽がでる頃という意味です。
夏枯草(かごそう)とは靫草(うつぼぐさ)のことで、宇奈月の山野に自生するシソ科の多年草です。花は、紫色で直立した茎の先端の密な円柱状の花穂につきます。この枯れた花穂が夏枯草で、古くから漢方薬として用いられています。冬至の初侯「乃東生(なつかれくさしょうず)」は、夏至の初侯「乃東枯(なつかれくさかるる)」と対になっています。雪が積もった大地では、乃東(なつかれくさ)が芽を出そうとしています。
寒さが厳しくなると、香箱蟹の水揚量も増えて漁港は活気づいてきます。香箱蟹の漁獲期間は短く、そのオレンジ色の内子と蟹味噌の旨味は格別です。地酒にもよく合います。
季節のうつわは「赤瓔珞文高台」で小ぶりの器です。
瓔珞とは、古代インドの貴族が好んで身に着けた装身具で、その華やかさから吉祥文として用いられています。なかでも赤で表現したのが赤瓔珞文と呼ばれ、赤玉文と組み合わせることでより華やかになります。
魚料理の合間に、冬野菜の焚合せが欲しくなります。水菜や根菜類などの種類が多くなります。中でも蕪は外せません。甘鯛との蕪蒸しも人気があります。ここは特製の出汁で優しく炊きます。
季節のうつわは「染付獣面芙蓉手向附」です。周縁部の獣面は、その睨みで邪気を祓うところから吉祥文として好まれ、染付芙蓉手の器にはよく用いられます。
活蟹会席の一品に、津合蟹の玉地蒸しがあります。熱い温物から始まります。具は百合根で、優しい味付けになっています。これから蟹の旨味が増してきます。
季節のうつわは「古赤絵小蓋物」で、永楽妙全の作品です。染付の松竹に赤の梅が配してあり、絶妙の色合わせです。小物ながら造形も端正で、丁寧な絵付けがなされている優れた作品です。
富山湾に雪が降ると、真鱈が旨くなります。真鱈は、炊き合わせ、鱈ちり、昆布締めと料理も多岐にわたります。寒くなると特に濃厚な味わいになるのが白子で、雲子とも呼ばれています。旨い出汁に素早く潜らせ、冬野菜と一緒に食します。生でポン酢で召し上がるのもお勧めです。
季節のうつわは「黄瀬戸五寸皿」で、綾目手(油揚手)の小ぶりの大きさです。
黄瀬戸は、桃山時代に美濃窯で焼かれた黄色の焼物で、装飾として胆礬や鉄彩といった加飾の技法が加えられています。胆礬が表裏に現れるものを抜け胆礬と言い高く評価されています。器の表面は、失透性の釉調である油揚肌が特徴です。
12月16日から七十二侯は「鱖魚群(さけのうおむらがる)」で二十四節気「大雪」の末侯となります。鮭の群が、産卵のため自分の生まれた川に遡上する頃という意味です。宇奈月温泉を流れる黒部川の鮭の遡上は11月で終わります。
黒部川の河口から宇奈月温泉までの間に、サケが遡上するために越えなければならない堰堤があります。それは愛本堰堤です。愛本周辺は黒部川扇状地の扇頂部で、江戸時代に刎橋が懸けられたところです。黒部川下流域の最も岩が固く狭い地点です。現在の愛本堰堤は、昭和44年8月の豪雨で流失し、同48年に築造されました。ここには魚道が設けられていますが、黒部川は急流河川で流出土砂も多いため魚道が度々埋まり、鮭が宇奈月温泉周辺まで遡上できなくなります。
一方桜鱒は年々数が減少しているものの、宇奈月温泉周辺の黒部川支流で毎年確認できます。桜鱒は、富山名産の鱒ずしに使用される鱒で、春に遡上します。春の黒部川は、雪解けで水で増水し急流となって堰堤を乗り越えて流れるので、遡上が可能になります。そして夏の期間は深い淵に潜み、山の稜線が色づく10月中旬から11月初旬にかけて、黒部川支流で産卵間近の特徴である婚姻色が美しいサクラマスを見ることができます。
この時期の支流は、透明度が増し水量が少くなるので産卵の様子が、橋の上から容易に観察できます。産卵が始まるとカワガラスがやってきて、卵を啄ばみます。孵化した稚魚はヤマメで、降海型と河川残留型の2種類に分けられます。降海型のヤマメは日本海に出て3年後には桜鱒となって生まれた川に戻ってきます。黒部川では稚魚を守るため2月末まで禁漁となります。