峡谷の雪景色が美しい頃、雪をあしらった器を使います。雅膳の一皿は蕪蒸しです。冬野菜を代表する蕪の旨味を優しく引き出す料理です。添える白身魚は甘鯛です。すりおろした蕪を雪に見立て、だしの効いた葛餡をかけます。
新年のうつわは「色絵雪松筒形向付」です。雪も図案化すると素晴らしくなります。
2024年1月
色絵ツボツボ重扇面皿
冬の「のど黒」は、脂がのり旨くなります。お造りは、少し炙った焼霜づくりは格別です。塩焼きも脂の旨味が十分味わえます。吟醸酒粕を混ぜた味噌に漬けて焼くと、脂の旨味に深みが出ます。勝駒純米吟醸と合わせます。
季節のうつわは「色絵ツボツボ重扇面皿」です。扇形の器に映えます。
輪島塗・盛器黒へぎ目と雪松絵杉蓋
正月も明け、寒の入りを迎えて寒さは一段と厳しくなります。雪吊りの松に、雪が纏わり冬本番となりました。幕の内の匠膳の前菜は、富山の冬の旬味を盛りつけます。
季節のうつわは「輪島塗・盛器黒へぎ目と雪松絵杉蓋」です。
仁清色絵束熨斗向付
新年の雅膳に使う向付の中に束熨斗をデザインしたものがあります。良き年であることを願って使います。
季節のうつわは「仁清色絵束熨斗向付」です。金彩を使って熨斗が描かれています。更には松竹梅がデザイン化されて吉祥文になっています。華やかな器です。
仁清色絵宝船絵向付
正月2日に宝船の絵を枕の下に入れて寝ると、よい初夢を見ることができると言われています。宝船とは、七福神や八仙が乗る宝物を積み込んだ帆船のことで、縁起物として親しまれています。また新年を表す季語でもあります。
季節のうつわは「仁清色絵宝船絵向付」です。
仁清日ノ出六寸皿
新しい年の幕開けです。新年の焼き物は、出世魚の鰤の塩焼きです。おめでたい出世魚の塩鰤はお雑煮にも使われます。
新年のうつわは「仁清日ノ出六寸皿」です。日の出は朱で、雲は金彩を使った新年にふさわしい器です。
仁清色絵寿鶴六寸皿
新年明けましておめでとうございます。今年は3月16日に北陸新幹線敦賀延伸、6月30日には黒部宇奈月キャニオンルートが開業します。魅力的な観光ルートができます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
新年のうつわは「仁清色絵寿鶴六寸皿」です。旭日に群鶴を描いた吉祥の図柄です。
雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)
1月1日から七十二侯は「雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)」で、二十四節気「冬至」の末侯となります。降り積もった雪の下で麦が芽を出し始める頃という意味です。
正月は、歳神をお迎えしてもてなし、お見送りする行事でもあります。門松は、歳神様が降りてくる際の目印となるので、太くて長い竹と大松で大きく飾り付けをします。祀る期間は「松の内」で1月1日から1月7日までとなります。
宇奈月温泉では初詣は、地元の宇奈月神社でおこないます。延楽から徒歩で6分、セレネ美術館の隣に位置します。昭和2年の創建で、地元の有志と黒部川電源開発を手がけていた日本電力株式会社(大正8年大阪で創業)の支援によって建立されました。ご祭神は、天照大神、大山祇神、大山久比神です。山の開発には大山祇神は欠かせません。手水鉢は、黒部川支流の尾の沼谷で産出した緑色の巨岩をくり貫いたものです。そこに注がれる水は黒部の名水で、まことに甘露です。
昨年1月に延楽美術館・アートサロン清渓がオープンしました。1月1日~1月4日までバイオリン二重奏が演奏されます。夜は名画をバックに、朝は黒部の自然をバックに演奏します。ギャラリーでは金島佳華の「鶴六曲1双屏風」、福井爽人、田渕俊夫、竹内浩一の作品の他に、「永楽妙全のうつわ展」を開催しています。