西王母(せいおうぼ)

初冬の椿

宇奈月の野山に初雪が降りて山野草の終りを告げる頃、心を和ましてくれるのは椿です。西王母は、ツバキ科の早咲きの常緑高木で、11月から春にかけて咲きます。

西王母は、金沢に古くから伝わる名花で、加賀侘助の自然実生と推定されます。桃色紅ぼかしの一重で、中ふくらみの筒咲きの形や、蕾のふっくらとした丸さも茶人に愛されてきました。

椿は、茶花として古くから愛用されてきましたが、昔は藪椿を主体に薄色椿と呼ばれるものが古書に登場します。これは特定の品種を指すものでなく、淡い桃色や特に白色を含めて呼ばれていた品種群を指しています。薄色が愛用されたのには、当時の茶室の明るさとも関係があったのかもしれません。

茶花として用いられる品種は、白玉、初嵐、曙、加茂本阿弥、乙女、太郎庵、西王母、有楽、侘助、太神楽、角倉、妙蓮寺、紅唐子、黒椿、散椿、袖隠、臘月、羽衣等があります。