菖蒲華(あやめはなさく)

<「田渕俊夫:放水」とカッシーナ・キャブチェアー>

6月27日から七十二侯は「菖蒲華(あやめはなさく)」で、二十四節気「夏至」の次侯となります。 菖蒲の花が咲く頃という意味です。 菖蒲は、「あやめ」とも「しょうぶ」とも読めて、梅雨の到来を告げる花として親しまれています。判別方法は、 外花被のつけ根にある網目模様はあやめ、黄色の目型模様は花菖蒲、白色の目型模様は杜若です。

宇奈月公園の花菖蒲は、6月の初めに沢沿いで開花し今は結実となっています。冷たい清水が流れる沢には源氏蛍が乱舞します。月末には各神社では「夏越の大祓」が行われ、茅の輪をくぐって半年間の穢れを祓います。

立山黒部アルペンルートの黒部ダムは、6月26日から夏の行楽シーズンの到来を告げる観光放水が始まります。ダムは、河床からの高さが高さ186mと日本一の壁面を誇るアーチ式キダムで、二箇所の放水口から毎秒7.5トンずつ合計15トンが放水されます。山が色付く10月15日まで毎日実施されます。 豪音と共に噴出する水しぶきで、くっきりとした虹が架かります。

黒部峡谷・セレネ美術館では、田渕俊夫画伯の黒部ダムの放水を捉えた院展出品作品「放水」が展示されています。人間が大自然に挑んで造り上げたダムです。そこから放出される水のエネルギーを巧みにとらえた名品です。